Android Opera – MIRROR | Dubai EXPO

2022

全尺映像はこちらから:Virtual Expo

アンドロイドは鏡である。
音楽もまた鏡である。
それらは私たち自身を映し出す。
存在と非存在の境界はどこにあるのか?
過去と未来の境界はどこにあるのか? そしてそれらはどこに存在するのか?
ステージの中央でアンドロイド・オルタ3がAIによって作られたテクストを即興的に歌い、それを高野山に伝承される仏教音楽・声明を歌う四人の僧侶と私のピアノ、コンピュータが円形に囲み、それらをさらにUAE現地のオーケストラが囲み1200年の時を越え一つの音楽を作り出す。
乱反射する巨大な光と電子音も加わり、これはかつて存在し得なかった調和のモデルを作る実験でもあることに気づくだろう。
この新しい経験を共に祝祭しよう。

渋谷慶一郎(Feb, 2022)

 

アンドロイド・オペラ®『MIRROR』は、渋谷慶一郎とアンドロイド・オルタ3、藤原栄善をはじめとした1200年の歴史を持つ仏教音楽・声明、そしてUAE現地オーケストラ・NSOによる新作オペラ。渋谷によるピアノと電子音、そしてオーケストラの演奏に合わせてオルタ3がAIによって生成されたテクストを即興的に歌い、高野山に伝承される声明の声がそこに重なるー。本作は、人種や文化、最新のテクノロジーと最古の仏教音楽が重なることで新しい芸術的調和のモデルを探求する作品。

 

ステージ中央にオルタ3、その周りを声明家たちと渋谷のピアノとコンピュータが円形に囲み、さらにその周りを45名のオーケストラが囲む。演奏には強力な電子音やノイズが加えられ、祝祭的で儀式的な時間を演出する。本作はこれまでの渋谷とアンドロイドの協働による『Scary Beauty(2018)』や『Super Angels(2021)』が西洋的なオペラの脱構築であったのとは異なり、祝祭的な形式であると同時にアンドロイド、声明、電子音楽、オーケストラ、ピアノといったここ数年の活動の集大成ともいえる作品となっている。

予告動画:

 

当日は、現地時間午後6時半よりJubilee Stage(ジュビリーステージ)という、万博会場内にある大規模な音楽用野外ステージにて開催。舞台上の大型スクリーンに投射される映像は、渋谷が長年コラボレーションを続けている仏人ビジュアルアーティストのJustine Emard(ジュスティーヌ・エマール)が担当。会場3面のスクリーンには、リアルタイムでのオルタ3の表情を映し出す他、高野山の仏教的モチーフをアーティスト自身が撮影・3Dスキャニングして制作した映像もミックス。会場全体やオルタ3に投射される照明効果なども用いて視覚的な演出も最大化する。

渋谷は本作について、「ドバイは厳格かつオープンなイスラム文化とハイテクノロジー産業が共存している真に未来的な国家。今回初演する新作『MIRROR』では1200年前に書かれた仏教音楽のテクストを唱える僧侶の声に、AIによるテクストを歌うアンドロイドの声が重なり、UAEのオーケストラがそれを支える。コンテクストもコントラストも高い作品を発表するにはこれ以上ない場所だと思ったので、やっと実現出来てすごく嬉しい。」と語る。

演目には一昨年渋谷が音楽を担当した映画「ミッドナイトスワン」のメインテーマのオーケストラバージョンが加わり、アンドロイドのヴォーカルと声明、電子音がミックスされた新たなバージョンとして披露される。
また、アンドロイドが歌うAI、GPT3によるテクスト、歌詞の生成には人工生命研究者の池上高志(東京大学教授)とアンドロイドのヴォーカル開発やプログラミングには電子音楽家の今井慎太郎が全面参加。アンドロイド、AIとオペラ、伝統音楽という均衡を作り出す。




©︎ATAK. Photograph by Sandra Zarneshan