IDEA – Dialogue on Love, Death, and Existence by Two Androids, Keiichiro Shibuya + Takashi Ikegami | 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
2023
ABOUT WORK
渋谷慶一郎+池上高志が、脚本にGPTを駆使した2台のアンドロイドによる新作の対話劇『IDEA(イデア)― 2台のアンドロイドによる愛と死、存在をめぐる対話』を金沢21世紀美術館のシアター21にて10月13日(金)、14日(土)に世界初演を行った。
本公演は同美術館で開催が予定されている展覧会「D X P (デジタル・トランスフォーメーション・プラネット) ―次のインターフェースへ」(10月7日開幕)の特別企画として開催され、常設展にも参加しているアンドロイド Alter3と、昨年誕生したAlter4が劇場のステージで初共演。
渋谷のアンドロイド・オペラではお馴染みのアンドロイド “Alter”だが、ステージには今回初めて2台のAlterが並び、音楽を担当する渋谷は全編に渡ってピアノとエレクトロニクスを演奏する。また2台のアンドロイドの会話から成る脚本の全てはGPTにより生成され、同展にも展示参加しているAIを駆使する注目の若手アーティスト・岸裕真の協力により、プラトンの著作とカール・ポパーによるプラトン批判なども学習したGPTによる対話、議論が展開される。
つまりこの作品は2台のアンドロイドによる極限まで人間の意図を排した劇場作品であり、そのリファランスにはプラトンの対話形式の著作があることから『IDEA』と名付けられ、ストローブ=ユイレのギリシア神話を下敷きにした映画『アンチゴネー』の激しく異化された残響も感じられるようになっている。
またAlter3は、東京大学池上研究室によって開発された発話されたテクストをGPTで動きに翻訳するプログラムによって運動制御されており、Alter4は電子音楽家・今井慎太郎のプログラムにより音楽の音量、音程、音密度に対して全身をシンセサイザーのようにモジュレートさせて運動するなど、2台は全く異なる制御によって展開される。これらはそれぞれプラトンのイデア界、現象界を表象する存在として激しく議論を交わすことになる。
CONCEPT
IDEA(イデア)はギリシャ語で姿、形を意味する。
プラトンが定義したイデア界と現象界をそれぞれ表象するAlter3とAlter4はステージに向き合う形で設置され、語り合う姿と顔や表情がスクリーンに拡大して投影される。
自らが話す言葉全てがGPTによって運動に変換され動きまでもが制御されているAlter3と渋谷の演奏する音楽の音量や音程、音密度に対する反応と全身に装着したオシレーターをモジューレトさせて周期運動を生成し続けるAlter4。プラトンの著作、カール・ポパーによるプラトン批判なども学習したGPTが脚本の全てを生成し、AI、アンドロイドにとっての愛や死、存在と欲望、感情とは何か?それらはいかに可能かという議論が2台のアンドロイドによって展開される。そして彼らが到達した結論とは?
CREDITS
出演:Alter3、Alter4
脚本:GPT
音楽、コンセプト:渋谷慶一郎(ピアノ、エレクトロニクス)
Alter3 プログラミング:吉田崇英、johnsmith
Alter4 プログラミング:今井慎太郎
GPTテクニカルサポート:岸裕真
Alter3 所属先:東京大学池上高志研究室
Alter4 所属先:大阪芸術大学アートサイエンス学科 Android Music and Science Laboratory
Alter4 台座設計:妹島和世建築設計事務所
映像:小西小多郎
音響:鈴木勇気
舞台監督:串本和也
制作サポート:川越創太、田中健翔
制作マネジメント:松本七都美
協力:大阪芸術大学
制作:ATAK
URL:
チケット購入 https://kanazawa21-idea.peatix.com/
金沢21世紀美術館公式サイト https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=69&d=2050
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