2007 07 20
07 20
scott rossのバッハと言えばパルティータが有名、というか伝説になってますが僕はこれも非常に好きです。
__
パルティータにやや不満があるとすれば音が弱い、というか音量的な増減が少ないということで、逆に言うとこういうのが本当のミニマリズムの極致のような気もするんだけど、ヘンデルの8つの組曲のような綾というか奥行きは希薄です。
__
これのなかでも特にフランス序曲は素晴らしくて、僕はこの曲が非常に好きなんですがこれほど素晴らしいと思ったのは高橋悠治盤以来です。というか昔、朝日ホールかどこかでこの曲を悠治さんが親指を使わないで弾くというコンサートがあったけどすごくよかった。
__
さっきミニマリズム、と書きましたがなぜチェンバロなんて聴いているか自分でも不思議だったのですがこの楽器は基本的には言うまでもなく打鍵楽器ですがリリースはピアノなどに比べるとほぼないと言ってもいいくらい弱いです。つまり響きや連続性は打鍵の強さタイミング、つまりリズムで構成されているんですね。響きの綾というか連続した変化というのもアタックで構成されている。響きを重ねるというのはコンピュータの場合いくらでも可能ですが、レイヤーされた響きやそのずれが作るリズムを考えるときにもう一度アタックに戻る必要があるんじゃないか、チェンバロのように限られたリリースや響きで連続性を作るというのはある種ヒントになっているのかなという自己分析をしてみました。