2006 11 15
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18時から芸大の新港校舎で藤幡さん、松下電器の飯田さん、渡邊さんとミーティング。
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飯田さんと渡邊さんはパーソナルサラウンドというヘッドフォンで三次元音響を再現する技術を研究されていて、以前書いたfilmachineのヘッドフォンバージョン、filmachine phonicsが可能になったのはサンレコの國崎さんに飯田さんを紹介して頂いたからです。
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filmachineのように24個のスピーカーを使って構成された三次元の音の運動がサブウーハーなどの物理振動を除くとほぼ完全にLRしかないヘッドフォンで再現される。僕は最初聴いたときに飛び上がるほど驚いたのですが、
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ヘッドフォンをして目を瞑ると目の前で音が動き回ったり自分の横を音が縦に動いているように感じる。いわゆる収録でマイクを使ってというプロセスではなく、完全にデータベースで処理しているので非常にリアルで解像度が高い。
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僕はテクノロジーに関しては作る方法に影響を与えないものにはほとんど興味がなくて、音楽だったら作曲の方法が変わるようなものにしか興味がない。つまりいわゆるエフェクトという範疇のものは、便利だったら使うけど、という感じで興奮はしない。
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飯田さんの三次元音響や知覚の研究は明らかに音楽を作るという方法を拡張させる可能性があると僕は確信していて、今後何が出来るか模索しているところです。何が出来るか、というかどこからやっていくかというほうが正確ですが、非常に楽しみです。こういう発見というか出会いがあると日本に住んでいる意味もあるなーと思う。
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池上さんにしても最近お世話になっている藤幡さんにしても、飯田さんにしても明らかに世界レベルの知性だけど日本は音楽とテクノロジー、研究といったアカデミズムの周辺のレベルは公平に見て高いと思う。逆にそうしたジャンルの境界が希薄だと恐ろしくユルユルなコラボレーションとかスタティックな実験のための実験にアーティストが絡むという不毛なことが起きたりもする。
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今日も非常に触発されるミーティングでした。帰り道に突然、「今日、diary読んできたんですけど加藤ローサ会えました?僕もイタリア語講座の頃から好きで」とか言われたのもオモロかったです。