2006 03 14

03 14

ATAK NIGHT 2。の日。

最初に当日、異常な混雑になってしまったことを深くお詫びします(土下座)。
当日のお客さんも含めて完全に予想以上の来場者数で聴取環境としては厳しかったと思います。本当にごめんなさい。これからの非フロアイベント開催時の対応策としては
・完全予約着席制、つまり椅子の数だけチケット発売して当日券はナシ
・予約された方は着席、当日は立ち見もしくは補助椅子
のどちらかにしていこうと思っています。現実的には2番目のほうになるかなと思います。フロアもいいんだけどね。

ATAK NIGHTは一昨年の暮れスティルアップステイパのシギーと一緒に東京、福岡、大阪でやって、東京では悠治さんと伊東篤弘さんがゲストに出て頂いてやった以来で完全に不定期で開催していくことが前提になっていて場所も特に決めているわけではないし、出演者も偶然の出会いと僕がそのとき聴きたい、一緒にやりたい人とやるという事故のような方法で続いていくんじゃないかと思っています。

出会いということで言えば、今回のスイスからきたアーティスト達とは不思議な繋がりでギュンター・ミューラーさんとノルベルト・モスラングさんは彼らが一昨年、初めて日本に来たときにATAKのCDをすごく気に入ってくれて日本でコンサートしたときに招待してくれたんですね。で、初めて会って今度日本に来るときはぜひ一緒に演奏しようと話していた。ジェイソン・カーンも全然面識なかったけど突然キムカスコーンとスティンブリューセルと一緒にやったCDが送られてきて内容がすごく良かったからATAK004としてリリースしたんだけど会うのは今回が初めて。他の二人、tomasとchristianに関しても同様に面識はなかった。

前にも書いたけど今回のイベントはコンピュータを使わない、ギターから自作楽器、エフェクターに及ぶ演奏家が非常に多い。他方、僕が現在取り組んでいる第三項音楽は完全にコンピュータベースで周波数中心主義によらず音の動きとかたちから音楽を作る試みだけど、これは従来のコンピュータミュージックというより演奏による変奏や複雑性をトレースするような部分がある。なので、広い意味で演奏を主軸にしている音楽家と演奏会をやってみるのはタイミング的に非常にいいなと思ったことと、彼らと実際に音を出したり、音を聴いたりすることで得られるものはあるだろうと思っていたんだけど予想は裏切られることはなかった。非常に有意義だし楽しかった。特に一緒に演奏させてもらったノルベルトととしまるさんには敬意を表したい(また、としまるさんには色んな交渉とやり取りで非常にお世話になりました)。

色んなものが同じ空間にある、というのが世界の現実で音楽も音楽がある場所もそうあるべきだと思っている。あるべき、というのは正確じゃないな、僕はそのほうが楽しい。 同じスタイルや思考、嗜好の人間だけが集まっている場所というのに強い違和感を覚えるしそれは他の誰かがやればいいことだ。まあ、はっきり興味はない。個別の感想は僕が書くよりも来たくれた人が書いたもののほうが全然面白いので割愛するけど、どのセッションも非常に面白かったです。

終わった後に一緒にやったnorbertが非常に満足したみたいで、持ってる自分のCDとかDVDを全部くれた。彼はほぼ全ての音の生成、発音を光でやっている。音を消すときは光を布で隠す。あの低音のビートもそう。これはすごく面白いことだと思う。タイム感や低音の質感が一緒にやっていて感じたことのないもので、突然一発目がドーンときたときは楽しくて笑ってしまった。必然と唐突が混在する音色というのを久しぶりに聴いた気がする。ちなみに最後の僕たちのセッションは相当な爆音でビルの3Fから「建物が揺れてます」という忠告とバーカウンターに並んでるグラスが落ちそうになってるのを店員さん達が押さえていてくれたという話を聞いてます(笑)

このイベントはかなりの数の人の協力によって実現できた。出演してくれた12人の演奏家はもちろん、PAのAOさんと森さん、space forceの小手川さん、スイス文化財団のluc、フライヤーに広告を出してくれたサウンド&レコーディング+groove誌、会場運営をやってくれた、ナカムラ、キムラ、ナリタ、ATAKのメンバー、そして会場に来てくれた本当にたくさんの方に感謝します。スイスの演奏家はこんなに大勢人が来るなんて信じられないって喜んでました。本当にどうもありがとう。