2006 12 17
12 17
東京都現代美術館の大竹伸朗展へ。やっと行けたー。
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素晴らしかったです。網膜シリーズの本物を見れたので感動。立ち尽くして何度も見ました。
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本物を、と書いたのは僕にとっての「網膜」は以前書いたように、高校生の頃に何度も立ち読みした「SO」という作品集と共にあったんですね。
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とにかく当時は買えなくて何度も立ち読みしたからそれこそ網膜に焼き付いてたのか^^:、「SO」の限定ボックスが壁一面に並んでいるのを見たときは軽い目眩がしました。
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それは印象としては「SO」の表紙がダーッと並んでいるのですが、昔から遠くからだと何だか分からないけどカッコイイ、近くに寄るとこんなになっていたのか、という驚きがあるというのが好きなんですね。
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これは音もそうだけど。ザッと一回聴いただけじゃどうなってるのか分からないけど何となくカッコイイ、よく聴くと細部に驚きや発見がある、という。
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「SO」の表紙も限定ボックスの展示も具象というかコラージュ、カットアップによって構成されているんだけど、そこから意味性を全部剥ぎ取って色や遠目から見た形としても素晴らしく多様で美しいんですね。それは網膜シリーズ全体にも言えるけど絵の具とキャンバスの物質性というか、遠くから見たときと近くで見たときの印象と情報の違いに驚愕します。
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それはSOであり層だと思うんだけど、過剰なレイヤー性というのは僕にとってもずっと非常に大きいテーマなのでビンビンきました。久々に。
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なので行ってない方は絶対に行くことをおすすめします。今月24日までだし。
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都現は18時で閉館だからそんなにたくさん見れないよーっていう方は1Fの網膜関連だけでも行く価値があると断言しましょう。僕はアーティストの軌跡というものにはそれほど興味がなくて自分が好きなもの、直接的に現在の自分が刺激を受けるもの視続けるという偏食家というか非常に身勝手な客なのでほとんどの時間を1Fで過ごしました。
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見終わってから1Fのギャラリーショップで15年前から欲しかった「SO」を購入しました。
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生まれてから91年までの仕事をまとめたこの本は作品だけではなく、インタビューやメモ、創作過程をトレースしたものなどさっき見た展覧会同様に過剰な情報に溢れていて、見終わるのも読み終わるのもしばらく時間がかかりそう。で、この本がほぼ自主制作で1年かけて作られたという記述を読んで非常に納得する。
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豊穣な過剰というのは、主体性というにはあまりにも野蛮な欲望によってのみ可能になるという確信は間違ってないなと思うと元気になりました。