Taylor couette flow
2007-
ARTIST: Takashi Ikegami + Keiichiro Shibuya
PLACE/DATE:
山口情報芸術センター(YCAM)
2007年2月17日 – 18日
UPLINK
“ATAK exhibition _ Taylor Couette Flow”
2007年2月22日 – 26日
東京大学 (本郷キャンパス 工学部2号館2階フォーラム・2階展示室)
“ユビキタス・メディア アジアからのパラダイム創世”
2007年7月13日 – 16日
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CREDIT:
Concept & Composition
池上高志 (東京大学), 渋谷慶一郎 (ATAK)
Technological development & experiment
大海悠太 (東京大学 / 池上研究室)
Product design
Myeong-hee-lee (ATAK, matt)
Network programming
evala (ATAK, port)
3D authoring
飯田一博 (Panasonic), 渡邊泰二 (Panasonic)
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CONCEPT:
Taylor Couette Flowは2重円筒に挟まれた流体が示す、ある秩序だった流れである。しかし内側の円筒の回転速度をあげていくにつれ、流体は乱れ壊れていく。このプロセスは、秩序だったものが乱流化するひとつのシナリオを示すものである。それは”T3からのChaosへ至る道”といわれている。T3とは3つの独立な秩序だった流れを、Chaosとは数学的に定義される乱れの構造である。
このインスタレーションでは、RuelleとTakensのシナリオを実際に流体実験装置でTaylor Couetteの流れを作り出し見てもらう。しかし、このシナリオ自体はまだ完全に確証したわけではない。T3が出現するとただちにChaosになるというRuelleやTakensの主張は、コンピュータのシミュレーションでT3はかなり安定に存在できる事実と相容れないからだ。一方実験的には、3つの秩序的な流れを確認することはできない。かろうじて2つの秩序的な流れが見られるだけである。
そこで、理論的にみられる1つの流れ(T1)、2つの流れ(T2),3つの流れ(T3)、乱流(chaos)を、コンピュータのシミュレーションで作り出し、それらの運動によって立体音響をつくる。実際に視ることはできない流体の乱れのプロセスを聴覚的に再構成することによって知覚することができる。また、これらの音色は、カオスの基本的な方程式であるLogistic写像でつくられる。