2005 02 28

02 28

昨日の日記で伝えられることは言葉で伝えろと言った舌の根も乾かないビショビショのうちにこんなことを書くのも気がひけるけど言葉で伝えられないことも確かにあると思う。例えば中村勘九郎(もうすぐ勘三郎)のスゴさというのはまさにそれだ、ということを知りました。僕は歌舞伎というものに通じていたりする教養人ではないし、ナマの舞台というのを見たこともないまったくの素人ですがじゃあ何を見たのかというと最近の襲名関係で放送されていたドキュメンタリー、厳密に言うと今年の夏にあったNY公演のドキュメンタリーをジムで走りながら見ていただけでこんなこと書いていいのかとも思うんだけど、演技者としての力量といえばいいのか技術というのか自在さ。というのか。そう、この時点で何がスゴイのかということを言葉にするのが非常に難しいんだけど、とにかくスゴイという気持ちを久しぶりに味わいまた。演出に現代劇の串田和美を起用して行われたそのNY公演は、最後のクライマックスで現地のアメリカ人俳優扮するNY市警が江戸時代にタイムスリップして拳銃を構えて終わる、場所も時代もブッ込んじゃうよという典型的な折衷でこういうのはほぼ確実にサムくなるんだけど、支えている芸が見事過ぎてまったくサムくない、どころかその自由さに感動すらするというシロモノで驚嘆しました。もちろん現代的な演出と見せ場の古典性のバランスとか実際に見たらスゴイ部分はたくさんあるんだろうけど、僕は実は大分前から勘九郎はすごいのでは、と思っていてそれは宮沢りえと不倫してグチャグチャの末に自殺未遂に追い込んだ後の記者会見でいきなり凄い勢いで「だれが不倫なんてしてるんだコノヤロー」みたいなことワメいて一切の質問を振り切って出て行ったあたりからで、役者としてカッコイイなーと思ってたんだけど多分重心の使い方とか声の技術とか目の動きとか尋常じゃないコントロール力と自在さ(と何度も書くけど)を獲得しているのでしょう。3,4月の襲名公演、安い席ならまだ売ってるみたいだから行ってみようかな。というか襲名の特別番組が3/4の21時からあるみたいなのでそれは必見です。と言っておきましょう。