2009 09 30
09 30
いやはや忙しかった。。
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YCAMの滞在制作3日目の今日でfor maria installation versionは完成した。
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思っていた以上に濃密な空間になっていると思う。決してノイジーとかそういうことではなくて
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switchのインタビューで「ゴダールのour musicの最後のシーン、楽園のようになると思う」と僕は話していたけど、新しい楽園像のようなものが出来上がった気がする。
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データは全てアルバム「for maria」からのみで、要するに音源としては僕が弾いたピアノの断片が異なるピッチ、再生幅でレイヤーされていて、それが床に埋め込まれた5チャンネルのスピーカーから再生され続けるんだけど、
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ピッチや再生幅、サウンドデータの組み合わせは常に変化、生成を続けるので同じ音響空間は二度と現れない。
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つまりピアノを弾く指でいうと150本くらいの指によって生まれ、変化し続ける音響は、もはやピアノではないと同時にピアノでしか作れない密度を持っている。
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ぜひ体験してもらいたい。テクノロジーを使ってもオマージュは可能か?とやはりSWITCHで僕は話したけど、答えは出た気がする。
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一緒に作業したエバラ君、協力して頂いたYCAMの阿部さん、渡部さんを始めとするスタッフのみなさまに感謝したい。
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特に今回はサウンドのスタッフの伊藤隆之君がいない初めてのYCAMだったんだけど、西村悦子さんと新人と言っていい濱哲史君の協力によって非常に満足な作品が出来たことを感謝してます。
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特に濱君のような優秀で真摯に作品や現場に腰を据えている若者は貴重だと思います。非常に期待しています。
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以前も書いたけど、YCAMの最初の音楽イベントはプレオープン時に試験的に行われたslipped diskのライブで、ある意味これはATAK NIGHTのプロトタイプのとも言えるんだけど、
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その後もYCAMではことあるごとにライブもしたし、filmachineを夏の三週間滞在して作ったりした。あの三週間、mariaは近所のスーパーで食材を買って夕食を作りつつ、まだ未完成な第三項音楽のプログラムでサウンドファイルを作り続けていた。
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そのYCAMの中庭にfor mariaというタイトルのインスタレーションが半年近く設置されることは彼女も喜んでいると思う。というか完成した空間にしばらくいたときにすごくそう感じた。