2008 12 09
12 09
ひどい風邪をひいた。
__
風邪をひくのなんて何年ぶりだろう。5年ぶりくらいかもしれない。ATAKを始めた頃にひどい風邪をひいて忘年会を家で開いたのにずっとベッドから出れなかったとき以来な気がする。
__
昨日の夜に病院に行ったあと、ひどい疲労を感じてマッサージを家に呼んでしてもらったんだけど、朝起きたら完全に発熱していて、しかし今日は重要なミーティングが11時からあったので出かけた。
__
すぐに戻ってきてベッドに入ったんだけど朦朧とした意識の中でいくつか先週起きたことを思い出したりした。
__
DAMIR DOMAに会ったのは短い時間だったけど印象的だった。僕が現在一番注目しているデザイナーで僕よりも若い。かなり才能があると思う。フォルムが非線形的で新しい。テーラードの完成度が主流だったここ数年のメンズのクチュールの中で突然変異のように現れた印象がある。会った印象がカールステンの若い頃に似ていた。
__
パリに住んでいるらしいからメアドなど交換してパリでやるコンサートで再会を約束した。
__
ICCの新しい展覧会、ライト・[イン]サイト―拡張する光、変容する知覚のオープニングに行ってきたけど素晴らしかった。
__
展示では《カメラ・ルシーダ:三次元音響観察室》2008年エヴェリーナ・ドムニチ&ドミートリー・ゲルファンドが出色。彼らはベルリンのfilmachineにも来ていて話したんだけど、サイエンスとの距離など共通点が多い。
__
ちなみにこのソノルミネッセンスを応用するというのはfilmachineのアイディアの前にYCAMでやるインスタレーションのアイディアに挙っていて実際に研究者と会ったりリサーチもした。
__
あとは《思考プロジェクター》2007年エイリアン・プロダクションズと《You and I, Horizontal》2006年アンソニー・マッコール、《PRINTED EYE(LIGHT)》1987―2008年
藤本由紀夫、《サンキュウ―インストゥルメント》1995年インゴ・ギュンターが印象に残った。
__
というかこれだけ印象に残ったとか書けるグループ展示自体が希有なのと、
__
ボイスとパイクを導入に会場の手前をシンメトリーに、後方の三次元的要素を扱う作品群をアンシンメトリーに配置した四方さんのキュレーションも素晴らしくて、ここ数年ではベストなグループ展なのでぜひ行くべきだと思います。
__
エヴェリーナとドミトリーはロシア人で今はアムステルダムに住んでいるんだけど非常に盛り上がって打ち上げの後、彼らのホテルの部屋まで行って日本の伝統音楽をBGMに作品の写真など見せてもらうというエクストリームなこともしました。
__
あ、あとこのICCのシンポジウムと飲み会の間に写真家の新津保健秀さんと一緒に菊池成孔さんのオーチャードのコンサートにも行きました。7~8年くらい前に食事したことあるんだけどかなり久しぶりなんだけどお互い若返っている感じが。
__
あーあと、ICCのシンポジウムは机二つ挟んで、パックリ意見と世代の違う人たちという感じで、まあ色々話していたけど
__
僕が池上さんと第三項音楽初めてかれこれ4年くらい経って、科学者とアーティストのコラボレーションというお題目が最近流行っている気がするけどそれ自体に意味はないんですよね。
__
僕はアーティストという方に分類されると思うので、そこから考えるとアーティストには二種類いて自分の思い描いているものを確実に実現させたい人と自分の想像を超えたものを作りたい人というのは違うと思います。
__
で、想像を超えたものというのはどうしても科学と密接なので、それがやりたかったら科学者と一緒にやるしかない。この場合の想像を超えたものというのは、僕がよく言う聴いたことのない音というのも一緒です。
__
だから、すごく当たり前だけど作るというのが前提じゃないと意味がない。シンポだディスカッションだというのだけやっているんじゃなくて。
__
あと重要なのは気が合うかどうかですね。僕も池上さんと根本的に気が合うというのが大きい。想像を超えたものというのはまだ確認していない未来に向かうわけだから、気が合う人とじゃないと無理なわけですよね。
__
そういう意味ではどこまでが科学でどこまでがアートとか意識しやすい人は難しいのかもしれないし、コンプレックスとか不毛な対立みたいなのはありえないよなーと思いましたね。
__
あとアーティストの想像/創造性によって科学に負荷をかけないといけない。そこからが面白いから。
__
売り上げランキング: 87078