2008 03 12

03 12

虚脱の日。締め切りとかじゃなくて、発表というかライブとか要するに自分の部屋から出て初めて作った音楽を発表した次の日は何とも言えない気分になる。寂しいというか、何をしたらいいのか分からなくなるのと、あそこを新しくしたいとか直したいという気持ちが同時に押し寄せてきて混乱することが多い。
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ある時期から音楽を作ることがそういう両義性というか正反対の感覚が同時に進行するものになっている。まずここ最近、僕は音楽がすごく作れる状況が続いている。つまり音楽が湧き出てくるとかいう状態に近い。これはかなりシステマティックな方法論に依っていても重要なことで、クセナキスが言うまでもなくシステムがあってもイマジネーションと作曲は極度に密接で、それ抜きの音楽は基本的に聴けたもんじゃないことが多い。
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で、最初に何を作ろうかと考えたときに大まかなプランは10分くらいで決まる。それはあっけないほどすぐに見えてきて、あとはそれに即して作業を進めればいいんだけど、当然コンピュータなのでそこのリアリゼーションというか細部は徹底的にやればかなり細かくできるし、時間もかかる。で、その過程は脱線もすれば修正もありという感じで進んでいくんだけど具体的に作り始めるときにすごく怖くなることがあってこれはなんだかよく分からない。が、非常に怖い。日常的にその感覚が続いているのは結構きつかったりもする。一つ言えるのは今までやったことよりも確実に面白くないと意味がないと思っていて、それが日増しにどころじゃなく強くなっていることは関係あると思う。それだけじゃないけど。で、今そこに飛び込むのは結構きついので今週は本読んだり考えたり酒を飲んだりして過ごそうと思う。すぐに次の作品に行くのは危ない気がする。
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最近、寝る前にリヒターの写真論を読み返しているんだけど非常に考え方に似ているところがあって驚く。前に、というか大分前だと思うけど読んだときはそうは思わなかったし、好きになれないところがあったんだけど近親憎悪的なものだったのかもしれない。