2016 05 13
エリック・サティにパラードっていう曲があって
エリック・サティにパラードっていう曲があって、これ当時の最先端(!)のコラボレーションっていう感じだったと思うんだけど
音楽:エリック・サティ
美術:パブロ・ピカソ
脚本:ジャン・コクトー
という今から振り返るとものすごいメンツなんだけど、色々調べてたらなかなか大変なコラボレーションだったみたいで
まずピカソはコクトーの脚本が気に入らなくてその影響でサティも脚本から逸脱して音楽を進めていたりするんだけど、異様なのは15分という半端な長さでなんか揉めた形跡が感じられる笑
とはいえシュールレアリズムとかイタリア未来派の影響とか幻覚的なものがグシャッと詰め込まれてるんだけど、決して濃密なコラボレーションとかになってないとこが現代的だなと思って、来年で初演から100周年だからこれをモチーフに新しい作品作るのが面白いんじゃない?ということになったんです。
ことになったんです、っていうのはまずパリのメゾンド・カルチャル・ジャパンからオファー頂く→去年2回コラボレーションの公演やってウマもあっている親友のジェレミーベランガールっていうオペラ座のスターダンサー(エルメスのモデルもやってるくらいカッコイイです)とジュスティーヌエマードっていうまだ若い女性のビデオアーティストを誘ってやることにした。
濃密じゃないっていうのは空虚さが全編を覆っているっていうことで、これ実際にサティのオーケストラスコアを見ててもそうなんですよね。
意図的な単調さ、スカスカのオーケストレーション、ユニゾンといかにもなサンプリングの多用とかバブルガム・ベースっぽいなとか思ったりもして、いまとシュールレアリズムがいったりきたりするような音楽になってます。
ちなみにパラードを委嘱、初演したのはTHE ENDのパリ初演の劇場で僕がそれ以来レジデンシーしてるシャトレ座だからなんか奇縁のようなものも感じてるんですよね。
で、今回の曲は単純にパラードっぽいイメージで作りましたとかじゃなくて、リズムと拍子のチェンジとかBPMチェンジとかリズムに関する部分はサティの原曲を完全にそのまま残してる。
ときどき原曲のメロディも使ったりもしてるけど、音は完全に取り替えててリズム構造はまったく同じだからダンスの振り付けは元のパラードでしてもらってて、リハーサルで僕が作った音楽に音を取り替えたあとどうしようか、というリハーサルが来週からパリで始まる。
土曜日にだいぶ前に受けたDJのブッキングが愛知の野外であるから、それが終わったら大急ぎでパリに飛んでリハーサルにどっぷり、そのまま本番ってなりそう。
5/27,28の2日間だけだけどパリにいる方、ぜひぜひいらしてください。チケットももう発売してるみたい。
僕もステージでピアノとコンピュータ、タイプライターなどプレイします。今回のは制作の途中段階での発表、となってるからある意味何が起こるかわからないから面白いと思う、というか怖い笑
こういうのはパリでやる仕事だな。
Parade for the End of the World世界初演 / work in progress
5/27、28 20:00~
Maison de la Culture du Japon à Paris(日本文化会館)
101Bis Quai Branly, 75015 Paris, France