2007 03 15

03 15

ツアー日記再々開!2.23(fri)ATAK NIGHT3@代官山UNITの日。
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前日は結局朝の9時頃まで研究室でライブの素材の修正、新たに作り足したりなどしていて気がつくとさんさんとsunsunと太陽が登っていて、部屋の外から登校の足跡が聞こえ出したので帰宅。家で2〜3時間くり仮眠の後、自分の部屋にコンピュータやインターフェースなどセットアップし直して作業再開。そう、最近は研究室でやることがほとんどなので家ではあまり仕事しないのです。
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14時くらいから爆進して気がつくと19時くらいに。やばい時間がないなあーと思いさらにスピードアップして作り続ける。会場入りは21時の予定だったけどこれは恐らく無理だなという予感があってmariaに先に入っていてもらうことにする。
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今回、セッティングの時間が非常に少なかったんですね。UNITはクラブ営業は23時からですが、19時くらいからライブハウス営業もしていて、この日もライブ終了は21時過ぎ、ということでこっちのオープンまで2時間もない。しかも単に機材もって行ってやるだけならサウンドチェックだけすればいいけど、今回の場合はMartin Audioのラインアレーを追加で持ち込んだり、exonemoがプロジェクタ−4台使ったりというオプションがあってしかもステージ上には全員の機材をセッティング+DJブース、あとイベント全体の映像の収録もしている、という感じだったので明らかに時間が足りない。
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と言いつつもライブの準備が終わらずさすがに焦る。無意識というか白痴状態でひたすら作業。いくつか新しい音を第三項音楽のソフトで作ったんだけどこれがなかなかすごい音で波形で見ても真っ黒の中にランダムな白い穴がいくつかあいている、というもので強烈だった。
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このツアーで思ったのは特にライブにおいてアナログとデジタルの差異というのはインターフェースに関して顕著だということで、Pan sonicは端的にそうだけどやはり演奏=手によって複雑性に対してデジタルの利点は何かというのが深刻な問題としてあったのです。
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もちろんアナログ同様のインタフェースをコンピュータプログラムで作ることも可能なんだけど、今回の僕のライブについて言うとそれが可能なソフトウェア、つまりMAX/MSPやableton Liveでは音の解像度が足りなかった。事前にabletonと使うと取材でも言ってたからそう思ってた人もいたと思うんだけど、実際は使いませんでした。良いソフトだと思うんだけど、BPM管理なので秒数で作っている僕のファイルを扱いにくい、というか面倒なこと、タイムストレッチが前提なのでどうしても再生の解像度が落ちるのがその理由です。
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MAX/MSPもやはり音質の問題があって、何と言っても大きかったのは色々な音のレイヤーされている状態を2mixにして再生するにはあまりにも情報量が多いので、マルチトラックで再生というのが必須になっていて、それだとリアルタイムの操作性に優れているソフトの特性を生かせないから音質を犠牲にしてまで使う必要はないなと思ってしまった。じゃあ何を使ったのか、というのは想像に任せるとしてー
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手=演奏の問題に戻ると急激な変化は何によって生まれるかということになる。つまり現状のエレクトロニックミュージックにおけるインターフェース系ソフトウェアの進化の根底にはツマミをひねる、何かを叩くといった原初的なアクションによって引き起こされる結果としてアクジデンシャルな変化が予測不可能な複雑性をコンピュータというクローズドサーキットにもたらすという発想があると思うんだけど、これには懐疑的なわけです。つまり楽器的なインターフェースをコンピュータに持ち込むという自体が従来の楽器→コンピュータ→楽器という演奏を巡るクローズドサーキットで、ここには作曲の不在がある。
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論理的に考えるとだったら楽器に戻ればいいということになるわけで、しかし音響的/音色的な変化の複雑性においてコンピュータのほうが可能性があるのは、単純に聴いて驚きがあるのは演奏によるものではなく、テクノロジカルなプロセスによって生まれたものが多いという僕の指向性も多分に関係あるとはいえ、音色からコンピュータの中での作曲のプロセスが発生している以上、またその音色の生成が第三項音楽のソフトウェアのように予測不可能性を孕んでいる以上、手=演奏による複雑性とは違ったそれを実現することが出来るのではないかと思ったわけです。で、その場合に重要なのは音の解像度でこれが高くないとミクロにしろマクロにしろ変化がダイレクトに伝わらない。
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また、今回は4チャンネルのサラウンドなのでfilmachine phonicsのサウンドデータを多用していて、これはMartin Audioのラインアレーのように解像度の高いスピーカーだとかなり動くんですね。音が。
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これは結構誤解も多いみたいだから修正しておくと、このUNITで特別に組んだPAシステムは4チャンネルのサラウンドで、立体音響のシステムではありません。立体音響の場合は最低8チャンネル、出来れば24チャンネルは必要でしょう。ただ、filmachine phonicsに収録されているパーソナルサラウンドのフィルターを通過してヘッドフォン用に立体音響化されたデータは使いました。つまり誤用ですな。これはどういうことか言うとヘッドフォン用のデータとはいえこれだけ音量も音質もあるとフロア全体がややfilmachine phonicsにおけるヘッドフォン状態になる、ということです。
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えーと、色々書いたな^^:
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んで、とにかく21時過ぎにライブの準備が終了して急いでシャワーを浴びて着替えてタクシーでUNITへ。ここは近いからホントにいいな。
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着くと前のライブのスタッフ、機材とこちらの機材、スタッフがフロア、ステージに入り乱れていてすごいことに。mariaに出演者のアテンドと物販などの仕切りを任せて,僕はステージとPAのセッティングの仕切りに。映像はexonemoがガッチリやってくれているので安心。
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22時過ぎにやっと音出し開始。しかし今回持ち込んだMartin AudioのラインアレーによるPAはホントにすごい。最高出力が130dbで、出力角度が20度という幅広い範囲をカバーできるのはかなり強力。ちなみにオランダの条例は確か118dbまで、通常のスピーカーは角度7度です。それをサラウンドの専門家のAOさんと森さんのチームが扱うわけで完璧に近い仕上がりになった。フロアで聴くと低音が鳴るたびに脳が振動する。
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ちなみに最近よく思うのはクラブはやはりスピーカーから出力された電気的な処理を施した音によく合うように出来ているということで、反対にホールはなかなか難しい。つまり音の拡散性が設計の段階からアコースティックに照準されているためなかなかうまく鳴らないという感じがある。
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Pan sonicの二人もGoemのフランスもサウンドコンディションには驚いていて、すごく楽しみな様子。僕も時間ギリギリまで入念に調整。しかしこのメンバーでこの環境というのはなかなか得難いと思う。時々「えー終わっちゃったのー、次いつやるの?」とか言われるけど、次はないんだよなと思う。びっくりするくらいの大入りでフロアはギシギシだったけどそれでも音が吸われないというのは凄い。
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そんなわけで予定よりも30分押して23:30にオープン/スタート。あとのレビューは こちらを読んでください。ライブの映像もあるし。自分のライブに関しては満足なものが出来たと思う。作曲とデジタルの複雑性みたいなのを少し提示できたのでは、という感じがあった。あと特筆すべきはexonemoの映像の素晴らしさで、これについてはいつか書きたいと思っている。非同期、非周期性、ジグザグな運動。
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結局イベント終了は朝の5時半でそれから撤収などして6時半頃退出。手伝ってくれた若い衆、灰野さん、exonemo、mariaと外に出ると明るかったんだけど、これから食事をしよう!ということになってみんなで代官山のデニーズへ。僕と灰野さんとexonemoが朝の9時過ぎまで喋り続けて他はどんどん眠りに落ちていくという謎の展開で終了。楽しかった。
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来てくれたみなさまホントにありがとう。僕自身、演奏していて例えば音が止まるとか展開が変わるという大きな変化だけではなくて、微細な変化に対しても非常に敏感して熱狂してくれたみまさなに助けられたという気持ちがすごく、強い。