2003 09 19

09 19

夜、小伝馬町の十思スクエアっていう廃校になった小学校で
やっているpuddles 2003というイベントを見に行く。
結構昔から知ってるボイスパフォーマーの足立智美君から
案内をもらっていて、これは国際交流美術展の一環のコンサート
でメールにあった彼の説明っていうか紹介の文章でHans W. Koch
っていう人にかなり興味惹かれたので行くことにしました。
以下抜粋です。

 ケルン在住のHans W. Kochのパフォーマンスをパリのクラブ
 で見たときのことも忘れられない。ボディから取り出した、
 基盤むき出しのコンピュータに電極を張り巡らせ電子ノイズを
 聴かせる。そこまではまだいい。彼は塩水の入ったコップを取り
 出し、基盤に垂らし始めた。ノイズは狂おしげになり、コンピュータ
 は煙をあげ始めたのだ!私はコンピュータ音楽におけるリアリズム
 をここまで追求した作品を知らない。

という(笑)。要するにコンピュータの蓋をあけて電極を突き立てた
ときの音を聴きたいという欲求は抑えられなくて、これは久しぶりに
好奇心というものを刺激された気がする。

最初、足立君とデュオでその後におのおのソロでという感じだった
んだけど、やはり来てた人は僕と同じようにコンピュータ自体の
ノイズを聴きたいとか煙が見たいっていう感じだったみたいで(笑)
後半、Hans W. Kochが多分ジャンクだと思う古いコンピュータの
蓋をあけたら異様な雰囲気になって身を乗り出す人とか椅子から離れ
て目の前に移動する人がゾロゾロっていう感じで結構興奮した(笑)

とはいえエフェクトとか通したりスルーさせたりっていう感じだから
全部がコンピュータ内部の「生音」っていうわけじゃないし、予測
不可能な部分もあるみたいで(実際終わった後話したらマックでやった
のは2回目だからちょっと分からないとこがるんだよねとか言って
た・笑)外すっていうか電極さしたり塩水かけても変化が起きない
こともあるんだけど、何度かこれは聴いたことがないなーっていう
音がして嬉しかった。煙の中で(笑)。

終わった後Hans W. Kochに話しかけたら自分の作品が入った
CD-ROMくれたんだけどそれはまだ見てない。
アイディアは非常に面白い人なので楽しみ。CDのリリースは無い
らしいです。
ちなみにサイトはここです。

とはいえコンサートとしては途中でleftのスピーカーから音が出なく
なったりしたのは問題だと思う。
こういうより実験的なという形容詞がつくイベントは久しぶりに
行ったんだけど僕が大学の頃、現代音楽に感じてた不満=結果に
対する認識が甘いというのは依然続いているようだった。
これはプロセスに重要度の比重が大きいとはいえやはり受け手という
のはそこまで優しくないだろうと思う。

で、その後家に帰ってから食事して雑務を片付けてから25時前くらい
に新宿のリキッドルームに行く。
田中フミヤさんのpartyでゲストがスティーブビックネル。
フロアでkimkenと話してたらフミヤさんに会う。体調良さそう。

で、思い出したんだけど最近ATAKとか僕のCDのことを自分の
サイトの日記で絶賛してくれている女子がいるということを
知ってその子がどーもフミヤさんの友達、っていうかサッカー
仲間らしいんですね。マイちゃんって言うんだけど。
mariaと今日会えるかなーとか言ってたんだけどフミヤさんに
紹介してもらって念願の(笑)対面。
後で聞いたら向こうも僕達に気付いて話しかけようか迷ってた
らしいんだけどヒジョーにイイ子でかなり談笑。
お互いの日記読んでるから初対面にも関わらず何やってるかとか
よく知ってて(笑)面白い感じだった。ちなみにそのマイちゃん
26歳の日記はかなり面白い。先週はリキッドでゲロ吐いたらしい
し(笑)本人からOK出たらurl書きますね。

ライブは全部見たんだけど、フロアに行くことは少なかったです。
2人目のdjがあまりいけてなかった。すごくテクノで。ハード目の。
反応も非常に(何故か)反動的でキック抜けたらヒューヒュー
言ってたりして(笑)要は古いと思ってしまった。
スタイルとしてという意味ではなくて、単に新しくないという意味で
古いのは致命的なので興味が持てない。様式美が好きな人間という
のはいるし、意外に業界内の評価というのはその様式美をちゃんと
消化しているかみたいなくだらないことが多くを占めてたりする
のだが無意味なのは事実なのでいかんともしがたい。というのが
私見です。

要するに「上げていこ!」みたいな意味でのテクノはトランス
によって完全に終わったわけで(トランスは悪い意味でロックなので)
にも関わらずズンドコいってるのを見るとそういう一神教的な
ノリでやり過ごせるのは楽観的だなと思ってしまう。
それはリズムの複雑性による拡散的な快楽とはまったく逆のベクトル
でスタイル、もっと言えば音楽に安住していると思う。
ATAK000のテーマはリズムなのでそういうのにはすごく拒否反応
起きてしまうんですね。申し訳ない。