ATAK010
filmachine phonics
Keiichiro Shibuya
14 February 2007 Released
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「誰も聴いたことのない音楽を作るんだ」
前作「ATAK000」から約2年、渋谷慶一郎のニューアルバムはCD作品としては世界初の三次元立体音響を実現したヘッドフォンによるリスニング専用の作品となりました。
音が耳の中を縦に移動する、目の前から自分を突き抜ける、後方から包まれるという全く未知の知覚が展開されており、これは通常の5.1 サラウンドが平面の音像移動のみなのに対して縦、斜めといった三次元を文字通り縦横に駆使することによって「音の運動を作曲する」という新境地に達した記念碑的作品です。
お好きな再生環境でベストな音質でお聴き頂けるように製品盤にはCD再生用AIFF44.1khz/16bitの他にAIFF48khz/24bit、MP3各フォーマットに最適のマスタリング処理を施した同作品の各音楽データが収録されている他、ご自分で簡単にインストールしてお楽しみ頂ける3種類の特製スクリーンセーバーが付属しています。
デジタル以後のエレクトロニクス・ミュージックの進化は、今世紀に入ってから、はっきり言えば停滞していた。
その原因と考えられることはひとつではないが、いずれにせよここに遂に、ある明確なブレイクスルーが現れたという事実を、手放しで歓迎したいと思う。
個人的にも、思考を刺激されるような、言葉を駆動するようなサウンドと出会うことが、ついぞなくなってきていたと実感していたのだが、渋谷慶一郎が試みの果てに切り拓いた可能性には、心底、大いに興奮させられている。
フリークエンシー・ミュージックも、デジコースティックスも、テクノ・ミニマリズムも超えた、21世紀初めての、音楽と音響のニュー・コンセプト〈マキシマル・ミュージック〉の登場を、ここに宣言したい。
その担い手は、このディスクに書き込まれている。
佐々木敦