2007 12 02

12 02

東大博物館で開催されているMusica ex Machina ー機械じかけの音楽ーの最終日に滑り込み。展示はなかなか面白かった。
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電子音楽家の有馬純寿さんに教えてもらったMartin Richesによる発声・発話ロボットの妙な生々しさが印象深い。最高級ロボ声。NIKON P5100の動画で記録してしまいました。
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しかし最終日ということで開催されていたシンポジウムは極めて低調。ロボットの自動作曲が可能になったら作曲家がやることがなくなってしまうのでは?みたいな話を大まじめに結構な時間をかけて話してるのには、ここはどこだ?と思いました。
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近藤譲さんに10年振りくらいにお会いしたんだけど、お元気そうでよかった。
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彼は覚えていないかもしれないけど、僕は大学のときに作曲のレッスンを受けて非常に印象深いことがあって
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そのとき僕が書いていた室内楽というのが全ての楽器が同じ音域の同じようなラインをずれて演奏するという奇怪なもので(確かsong lineというブルースチャトウィンの小説からとった弦楽四重奏だった)それに対して「ああ、僕はこれは頭の中で音が鳴らないから何も言えないや」と言ったんだけど、非常に真摯だなと感銘受けました。
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頭で鳴らないから何も言えない、とか
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この音楽は自分の理解を超えてるから何も言えない、
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というのは先生の態度ではなくて、作曲家の態度です。制作者のというか。それが僕にはすごく意味があった。
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大学が忙しくて作曲する時間が週に1日もとれない、と嘆いていたのが気の毒だったけど同様の言葉はあちこちから聞こえる。最近。
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filmachine phonicsをお渡しして、その話になったら「僕は70年代にまさにこういうことをやりたくてテクニカルの人に相談したら出来るわけないって言われたんだよ」と言われたので、「いや、でもすごい時間かかりますね。三次元の運動も全部書かないといけないので、10秒つくるのに6時間くらいかかったりすることもあります」と言ったら「それだけ?笑」と言われた。近藤さんは最後の作曲家という意識が強いので、意図的にコンピュータという意味でのテクノロジーとは距離をおかれてきたけど、彼が70年代から現在まで実作として関わっていたらどうなっただろう、と想像する。