2019 09 06
渋谷慶一郎が 仏教伝統音楽・声明との新作コラボレーション作品『Heavy Requiem』
をアルスエレクトロニカ・フェスティバル2019で発表
渋谷慶一郎が 仏教伝統音楽・声明との新作コラボレーション作品『 Heavy Requiem』をアルスエレクトロニカ・フェスティバル2019で発表
渋谷 慶一郎は、オーストリア・リンツ市で2019年9月5日から9日の5日間開催される世界最大級のメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル2019」にて、仏教の伝統音楽である高野山・声明の演奏家 藤原栄善氏との新作コラボレーション『Heavy Requiem(ヘビーレクイエム)』の公演を行うことを発表した。
本作品は、今年のアルスエレクトロニカのテーマである『AI x Music』のコンサートイベントにて、セント・フロリアン教会でメインアクトとして公演される。
同公演は渋谷の盟友、フランチェスコ・トリスターノがヤマハとのコラボレーションによりグレングールドのAIと共演を発表するなど大きな話題になること必至となっている。
『Heavy Requiem』は、 高野山に伝わる南山進流声明の演奏家で僧侶でもある藤原栄善氏による仏教の伝統音楽の声明と、渋谷による電子音楽を組み合わせた新作コラボレーション。
西洋的で静謐なレクイエムとは異なり、電子音楽によって作られた重厚な低音とリズム、ビートを組み合わせた祝祭的で扇動的なレクイエムの可能性を追求した実験的な作品で、ベースとなる音楽は、「大地・火・水・木/空気・宇宙」という自然界の五大に、「意識」を加えた六大をイメージした楽曲から構成されている。
声明は、伝統的な声明の中からこれら六大のイメージに即して選ばれた内容の声明が藤原氏が選択、唱えられる。
西洋的な音階や和音は一切使わない斬新なこのレクイエムは、電子音と声明の声が独立して存在することによって今までに聴いたことがないような均衡や調和を生み出すことを意図している。
また、西洋式の巨大な教会で行われる仏教音楽の爆音のダブミックスというコンセプトは渋谷が2年間温めてきたもので今回ついにアルスエレクトロニカからのオファーによって実現することになった。
映像を渋谷と数多くのコラボレーションをこれまでに発表してきた仏人ビデオアーティストであるJustine Emardが担当。
映像には高野山の建造物、仏像などを3Dスキャニングした後に極度に抽象化した3D映像が音楽に合わせて発表される。
また、渋谷は この公演に加え、現地時間 9月6日に予定されているシンポジウムの一部にて、自身の近年の作品であるボーカロイドイオペラ『THE END』やアンドロイドオペラ『Scary Beauty』を紹介しながらAIと音楽に関するテーマでプレゼンテーションを行う。
音楽、テクノロジー、そして宗教といったあらゆる境界線を越えて、世界に活躍の場を広げる渋谷慶一郎の挑戦は、まだまだ続いている。
“Heavy Requiem” – Buddhist Chant: Shomyo + Electronics (AI x Music Festval)
日時/2018年9月7日(土)20:00 – 22:00(現地時間)
会場/ St. Florian Monastery, Basilika
住所/ Augustiner Chorherrenstift St. Florian, Stiftstraße 1, 4490 St. Florian, Austria
URL/https://ars.electronica.art/outofthebox/en/heavyrequiem/
Presentation by Keiichiro Shibuya (Midlife Crisis of the Digital Revolution – Theme Conference)
日時/2018年9月6日(金)18:00 – 19:30(現地時間)
会場/ POSTCITY, First Floor, Conference Hall
住所/ Bahnhofpl. 12, 4020 Linz, Austria
URL/https://ars.electronica.art/outofthebox/en/digital-midlife-crisis/
■プロフィール
<渋谷慶一郎>
音楽家。1973年生まれ。東京芸術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立、国内外の先鋭的な電子音楽作品をリリースする。これまでに数多くの映画音楽やサウンドインスタレーションを発表。2012年、初音ミク主演による人間不在のボーカロイド・オペラ「THE END」を発表。2018年にはAIを搭載した人型アンドロイドがオーケストラを指揮しながら歌う、アンドロイド・オペラ「Scary Beauty」を発表。2019年9月にはオーストリア・リンツで開催されるアルス・エレクトロニカで仏教音楽・声明とエレクトロニクスによる新作「Heavy Requiem」を発表予定。人間とテクノロジーの境界領域での作品を立て続けに発表している。http://atak.jp/
<藤原栄善>
西宮市鷲林寺住職であり、高野山金剛峯寺塔頭 増長院住職を兼務。1960年生まれ。高野山大学文学部密教学科卒業。人間国宝 中川善教師とその弟子宮島基行師二人より南山進流声明を学ぶ。2003年 南山進流声明皆伝を許され、皆伝に至るまで25年を経る。1996年より阪神淡路大震災犠牲者追悼を目的として、高野山三宝院にて『月光無尽音まんだら』として様々なアーティストと声明のコラボレーションを毎年執り行う。これを機として、フラメンコ界巨匠小島章司氏とコラボレーション。野川等氏主催の東西鎮魂声明コンサート全国ツアー、スイスにてフルートと声明のコラボレーションツアー、フルートと声明のコラボレーション全国ツアーなどを執り行う。最近では2018.9.アメリカ、アナハイムWPGにて渋谷慶一郎氏とコラボレーションを執り行った。その他、日本国内、ハワイなどで声明の講義を行い若手僧侶の育成につとめる。
<Justine Emard(ジュスティーヌ・エマ)>
仏人ビジュアルアーティスト。フランス・パリ在住。 作品を通して、人間とテクノロジーの間に確立された新しい関係性の探求を行う。 写真やビデオ、VRなど様々なイメージ媒体を組み合わせながら、ロボットやオブジェ、ライブ3Dプリント、生命や人工知能を中心に作品を展開している。2011年以降、フランス、韓国、日本、コロンビア、スウェーデン、イタリアで個展を発表。2016年5月には、ジェレミー・ベランガールと渋谷慶一郎とともにパフォーマンス作品『Parade for the end of the world』を制作、パリ日本文化会館にて上演。 また、世界各地のグループショーにも参加しており、活動の幅を広げている。
例:現代美術のモスクワビエンナーレ、NRWフォーラム(デュッセルドルフ)、シンガポール国立博物館、シティアーツ(ラ レユニオン島)、モスクワ近代美術館、イタウ文化研究所(サンパウロ)、シネマテケケベコワーズ(モントリオール)、森美術館(東京)、バービカンセンター(ロンドン)。