2007 09 18

09 18

要するにPerfumeのポリリズムはデジタリズムですね。いや、いいと思うのですが。
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PUBLIC IMAGE 2008 S/S@ラフォーレミュージアム六本木。本番。の日。
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7時まで作業がかかって3時間ほど眠りシャワーを浴びて、今日はヘアメイクをしてもらうので髪には何もつけず、朝食を食べてコンピュータと楽譜を持ってタクシーで会場へ。
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PAの森さん、今回ベーゼンドルファーのインペリアルを調達してくれた調律の大豆生田さん、メイヤーを追加調達してくれたATLの丹尾さん、エバラ君、演出の下田さんなどの面々は既に到着してセッティングの準備。ベーゼンは通常のピアノよりも低音の鍵盤が多い。ラストでその低音を使おうというのは想定してたんだけどホントに低い、良い音がする。
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音響調整にはかなり手こずって、床四面のメイヤーに対して天井のシーリングスピーカーがショボイのも一因だし、反射とかピアノとコンピュータのバランスとかまあ色々なんだけどPAスピーカーというのは難しいなと思いました。
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これは当たり前なんだけど、家でMusik electronicで作っているような解像度はでないんですね。要するに細かいところの音色が聴こえない。musikのような高解像度なモニタースピーカーの良さというのはそこなんだけど、逆にパワーはないんですね。
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だからドンツドンツいってるビートとその展開がメインという音楽の場合はまあ解像度はそれほどなくても音圧があったほうがいいだろうし、逆にパワーがいらないマイクロサウンド的なものだったら絶対にモニタースピーカーでやったほうがいい。
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じゃあ僕みたいに音量や包囲感も欲しくてしかし音色の構造が複雑でそこの細かい部分まで聴いてほしいという場合にはどうすればいいかというと現状、策はそれほどないですね。
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一つは家に来てもらうということなんだけどこれは論外として、filmachineのような立体音響というのは確実に有効です。また立体音響に限らずスピーカーの数を増やすというのは方向としてアリだと思う。
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要するにステージ左右のフロント・ステレオ配置とかは典型的にそうなんだけど少ないスピーカーでガンガン音を出すというのはライブPA、ライブハウスPA的になってくるわけでまあ暑苦しいわけですね。ある種の高揚とか熱気がプライオリティ高いサンボマスターみたいな場合はすごく有効だけど。
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あとは、まあPAの方法になってくるわけだけど僕は今までのライブPAの作法的なものからは離れていきたいと思ってます。試行錯誤が必要なのでこれは課題ですね。
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で、13時くらいから本格的にサウンドチェックを始めて16時からピアノの調律、17時からサウンドの詰め、18時から通しリハをやってメイクなどしてもらいギリギリまで調整してから休憩。
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しかし今回、トップクラスのモデルを集めただけあってバックステージは相当美しい光景でした。男だけなんだけど。
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一人、ジムでよくいる子がいたので話しかけて「どこかで見たことあるなあと思ってたんですよ」「風呂だね」というゲイっぽい会話をしたり、ステージの袖で進行の女子にファンなんですー握手してくださいと言われて驚いたり(さっきまでひじょーにシリアスにすぐ近くではたらいていた人なので)して本番。
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正直、リハまではかなり不安だったんだけど本番はうまくいったと思う。ピアノも直前でアレンジ替えたりしたんだけどそれも効果あったし、ヒヤヒヤしたけどうまくいってよかった。
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デザイナーのリュウ君も大満足らしく、次もお願いしますと言われているので、また全然違う面白いことが出来たらいいと思う。
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会場に来てくれたみなさま、どうもありがとうございました。打ち上げまで付き合ってくれた友達も。
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ショーというのはあらゆる意味でコンサートと逆のシステムで動いていて
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コンサートはできるだけたくさんの人に、出来るだけたくさんのお金を払ってもらって、アクセスの良い場所で、出来るだけ長時間やって満足してもらうというのに対して
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ショーは限られた人に、しかし無料で、アクセスなどは配慮せず、10分程度であっという間に終わるというもので対照的です。
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しかしこれはファッションと音楽、いやファッションとアートというものの対比としても捉えられるわけで、アートや音楽(アルバムとかね)が何年かに1作しか発表しないとか出来るまで発表しないというのに対してコレクションブランドの場合、調子が良かろうが悪かろうが年に2回は発表しないと止まってしまうわけで、必然的に時代の反射を皮膚呼吸で吸収して排出してはまた作るというサイクルになります。
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このスピードに学ぶべきところがあるというのは事実で、もちろん音楽に置き換えることはできないけど、生理的な部分の吸収と租借、再構築のスピードなどはアートや「美」にまつわるアホな普遍性信仰と限りなく遠い、当たり前のように遠い、という意味で勉強になります。
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これが圧倒的に反動的な部分も含むファッションという分野とある種のコネクトを維持している理由で、が、しかし今回のPUBLIC IMAGEのように僕がやっている音楽に圧倒的な理解がある場合、次の次元で色々試せるので有意義だと思っています。
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打ち上げは22時からルバロンで、その前に渋谷のすしざんまいでmariaと鮨を食ってから突入。パーティーは大盛況で浴びるほどシャンパンとか出される酒を飲んで泥酔しました。3時間しか寝てないからまわるまわるという感じで気がついたら28時。タクシーで帰宅。