2004 12 23
12 23
東京でオフ。シギーは明日の朝帰る。
000はすごく売れているらしい。タワーレコードの渋谷店は発売して3日で、新宿店は5日で(初回入荷は新宿の方が多い)バックオーダーが来た。嬉しい。新宿はセミトラ作成のパネルが効いたのかも。
今日は朝からシギーと1日の計画を練って、家でmariaと3人でパスタを食べてからまず下北沢へ。
とにかくショッピングという日だったんだけど僕もシギーCDに投資する額は結構高くて(とはいえ最近僕はそうでもない。聴く前に分かってしまうものが多いから)まずはCD屋巡りということでonsaとjet setへ。シギーはpan sonicのkest(最新作の4枚組)とbeansのニューアルバムをゲット。その後、渋谷経由で代官山に行ってシギーが大ファンだというヤマタカEYEさんのエキシビジョン会場へ。ここでもEYEさんのイラストが入ったピンクのTシャツを自分用にゲット(これはこの前チェキッてたもの)。その後、渋谷で食事→新宿のタワーレコードへ(オタクDJか→僕達。あ、でも最近DJ目指す子は減っているということを知りました。確かに若いDJに会うことが減った気がする。代わりに音楽を作る子は増えている気もする。今回のツアーでもたくさんの男子にこれ作ったので聴いて下さいってCD渡されたし。全部聴いてます)。
その前に酒を飲んでいたので赤い顔をして(僕は撮影用のファンデーションは女性用でOKというくらい色が白いので飲むとすぐ顔に出る)新宿のタワーでCDを見ていたら「渋谷さんですよね?000買いに来たら本人がいるからびっくりしました」と言われ焦る。えーとかなり陽気な対応ですいません。っていうかその場で000が何枚も売れててびっくりする。
シギーはここでも謎のエレクトロみたいなのとか買ってて、これは日本じゃないと買えないはずだとか力説されたんだけどあまいよく覚えていません。
で、CDも買い物も終わったのでlet’s go tokyo night life!とか騒ぎながら電車で原宿まで行って歩いて外苑前のofficeで渋くお茶(どこがナイトライフだ)。シギーもここが気に入ったみたいで長居して色々話す。
僕が彼とここ一週間一緒にいて色々話したり聴いたりしてて感じたのは非常に有機的なドローンを基調にした音楽というのはヨーロッパの一部で確実にある主流となりつつあるなということで、これは聴取の問題と深く関わっている。
この場合の聴取というのは一音の持続にひたすら耳を澄まして無の中に有を聴くという神秘主義、ラ・モンテ・ヤング的なヤツじゃなくて非常にノーマルな意味でのを指すんだけど僕は興味あります、非常に。
日本だとエレクトロニカ!とかDSP!みたいな表層というか技法にフォーカスがいきがちなんだけど作ってる方の多くにとって(特に僕はそうなんだけど)それはどうでもいいというか、ま、ダサイなという認識なんですね、そういう分類が。
で、シギーと非常に共感したのはその音が求めるのであればDSP的な手法も使うし、もし何ら手を加える必要がなければそのままを放置するし、場合によってはアナログ的に処理するしという、これもノーマルな意味で自然な態度なんだけど、この部分の選択と技術、方法の深度というのはドローンのようなスタイルをとる場合それはイコール結果、つまり音楽に直結する。
ドローンはサウンド・アートというかこのジャンルの中で確実に残るスタイルだという確信があって、それは音そのものにフォーカスしていった場合、短い音ではなくて長い音のほうが確実にやれることの応用範囲が広いし周期性というものを持たせる場合にもその可能性は多様だということと、下手すると長い一音のバリエーションで済むからギャラが安いコンピの曲提供にもってこいなスタイルだという最悪に正反対な理由からあって(笑・だって多いでしょう、そういうコンピって。ちなみに僕はしませんが)多分今後も進化し続けると思うんだけど、どうやらこのツアーでドローン開眼した気がする。これは000作ってる後半から意識し始めたんだけど。同時に良いドローンもあれば悪い、というか下らないとしか言いようがないものも確実に存在するというその境界線はかなり明確になったしその差異は今後、音を中心に音楽を作る場合中心的な課題として存在し続けると思う。
で、まーofficeでは音楽の話からプライベートな相談まで(笑)話は飛びまくって遅くなってきたのでタクシーで家へ。
お互いの素材CDーRを交換したり、家に今セミトラの田中君から借りているTシャツ君っていうTシャツプリント機があるからそれで記念にTシャツ作ろう!ということになってシギーの書いたイラストで3人ともTシャツ作ったり、荷造り手伝ったりしたら朝の6時くらいになって一緒にリムジンバスの乗り場へ歩いて向かう。
結構ハードなスケジュールのツアーだったけどすごく仲良くなったから別れが辛いのは3人とも多分一緒で向かう道では無口になっていた。マークシティのバス待ち合い所には既に人がたくさんいて僕達もソファーに座って時間を待つ。10分くらい待っている間もなんか言葉少なくて参ったなーとか思ってたんだけどいよいよバスが来て荷物を一緒に運んでお別れのハグをして連絡を取り合うこととか来年ドイツに行くから一緒にライブやろうとかコラボレーションもな、とか話してバスに送り込んで長いバイバイが終了。
mariaとバスが出るまで見送ることはないよね、シギーも眠いだろうしとか言いながらマークシティを後にしたら道玄坂はすごくキレイな朝日が出ていて空気も気持ち良くて、ホントに全部終わった、色んな初めてが全部終わったなと思ったらなんだか少し感動した。
色んな初めてっていうのはレーベルを始めてから2年経ってやっとソロアルバムを出したりシギーを自分達で呼んで一緒にツアーをやったりコンサートをオーガナイズしたり自分以外のCDをリリースしたりとかそういうことで、これでやっと少しマトモなレーベルとしてスタートに立てた気がする。
だから感動したと言っても決してセンチメンタルなヤツじゃなくて次に何をすればいいかとか次からこういうやり方にしようとかいう具体的なことが朝の空気とATAK始めてからの記憶の中でキレイに配列されてこっちを見ている感じなんだけど、なんだか嬉しくてでも涙が出そうな感じもあってこんな複層的な感情を知ったりして少しは大人になったのかもしれないな、やっぱやってよかったじゃん色々。とか思ったりしながらベッドに入って眠りました。
どうもありがとう、みなさま。