2016 05 12
渋谷慶一郎が現代に蘇らせる
ピカソ、サティ、コクトーの「パラード」
2016年5月27日、28日(パリ時間)、フランス・パリ市内のMaison de la Culture du Japon à Paris(日本文化会館)にて、舞台作品『Parade for The End of The World』が初演される。
本公演は渋谷慶一郎が『THE END』以来に音楽を担当する久々の完全な新作舞台作品となり、パリ・オペラ座エトワールのスターダンサーであるジェレミー・ベランガールとビデオアーティストのジュスティーヌ・エマードとのワークインプログレス、つまり制作途中の公開と発表されている。
この作品は1917年、パリ・シャトレ座で上演された『Parade(パラード)』のリメイクつまり現代版を作るというプロジェクトとしてスタートしている。
『Parade』は音楽をエリック・サティ、美術をパブロ・ピカソ、脚本をジャン・コクトーが担当した当時のスーパーコラボレーションによる15分の伝説的な演目で、舞踊史上のみならず、芸術史上においても重要な作品とされている。
来年でこの『Parade』が上演から100年を迎えることを見越して、「世界の終焉に向かうパレード」をテーマに約50分に構成した作品の制作途中を公開する。
渋谷曰く、「音楽はサティによるスコアのビート、拍節構造、テンポチェンジなどリズムの側面は全てそのままなぞって音は全て入れ替える、たまにシンセサイズされたモチーフも挿入される」とのことで、当日はピアノ、コンピュータ、タイプライターなどがダンサーと共にステージにセッティングされる模様。
当時、音楽や舞踏といったジャンルを軽々と越境し、観る者を驚愕させたように、『Parade for the End of the World』も総合芸術の地平を切り拓く可能性を秘めている。奇跡の出会いを果たした日仏のアーティストが生み出す新たな『Parade』の誕生の瞬間は見逃せない。
また『Parade』100周年の関連企画として、5月7日より15日まで、ピカソによって描かれた『Parade』(1917年)の幕がシャトレ座にて一般公開されている。こちらも併せてご覧いただきたい。
来年、初演から100周年を迎える『Parade』の界隈がまた賑やかになりそうだ。
予告編はこちらから。
Parade for the End of the World世界初演 / work in progress
■日時
5/27、28 20:00~
■場所
Maison de la Culture du Japon à Paris(日本文化会館)
101Bis Quai Branly, 75015 Paris, France