2010 01 10
01 10
MOTでレベッカホルン展+ラグジュアリー展。
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レベッカホルンは3Fのインスタレーションがかなり良かった。去年、ポンピドゥーで一つだけ見たのだが、やはり初期のシンプルで鋭角的な構造体による示唆的なオブジェ、インスタレーションは非常に好き。
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というかエロい。
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近作は明らかに影響関係にあると思われるボイスの変奏のようになっているが、ドローウイングは好みだった。
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が、会場の両端にあるプロジェクターを用いた作品はピンと来ず。ひとつはプロジェクションされている詩の内容が僕とは遠いということはともかくとして、やはりリアルな構造物というかオブジェの中でプロジェクターというメディアはあまりにも弱い。
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これは1Fの大掛かりなプロジェクションによるいくつかの/いくつもの映像作品では感じなかったのだが
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要するにモノとプロジェクター、という組み合わせの中ではプロジェクターはそれそのものではなく何かを投射するものというフィルターとしての作用してしまうため、
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とかなんとか言いようがいくらでもあるが、ともかく非常に慎重に扱うべきメディアなのは間違いないというのは
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ここ最近、池上さんのインスタレーションを手伝っていて感じていたのが、確信した。
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ラグジュアリー展はじっくり見る時間はなかったのだが、現在のバレンシアガのデザイナーであるニコラ・ゲスキエールが徹底的に過去のモチーフを現代的にブラッシュアップしていることが分ったことと
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マルタン・マルジェラはやはり凄いということを確認。
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大雑把に言ってファッションに関する展示はアートの後だと非常に平坦で薄っぺらく感じのだが、アーティザナルシリーズのシンプル並列によるマルジェラの展示は派手な誇張や装飾のない、最初のコンセプトから仕上げまでが考え抜かれつつも一直線に貫かれていることが明快に提示されていて、レベッカホルンのいくつかのオブジェクトと僕の中では妙に共鳴していた。
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こういうデザイナーはやはり稀だと思う。辞めてしまったことが非常に残念だ。
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併設のNadiffでカタログ購入。
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立ち読みしたマルジェラの集大成的なこの本は過去の中でも出色の出来では。重いし高いので購入しなかったけどそのうち買うかも。エディトリアルもデザインも非常に好み。