ATAK021
Massive Life Flow
Keiichiro Shibuya
2011年4月17日~26日の10日間に渡り、渋谷慶一郎が東京・恵比寿のgallery kokoで行った音楽の公開制作「Massive Life Flow」。
ギャラリーにピアノやコンピュータを持ち込み、作曲したり演奏したりする光景を誰もが自由に見たり聴いたりすることが出来るというこの10日間の試みはネットで監視カメラのように常時配信もされ、大きな話題となりました。
ピアノの手元の接写や作曲の経過など、コンサートやCDでは聴くことが出来ない非常にプライベートな演奏による代表作から未発表曲、インプロヴィゼーションを含む全18曲、82分をDVDに収録しています。
また、これは重松象平(建築)、ムラカミカイエ(アート・ディレクション)、鈴木心(写真)といった気鋭のクリエーターとのコラボレーションの記録でもあります。
—
3.11の直後の2011年の4月、世間の自粛ムードを無視して、10日間にわたる音楽の公開制作という奇妙なことをやっていた。
「Massive Life Flow(=過剰な日常を生きる)」と銘打ってギャラリーにピアノやコンピュータを持ち込み、黙々と作曲したり演奏したりメールを書いたりするのを、誰もが出入り自由で見たり聴いたりすることが出来るというこの試みは、結果的に僕自身に大きな影響をもたらした。
パーソナルであることパブリックであることは紙一重であり、それらは自分以外によって反転することを避けられない。
これはもう一つのテーマとなる生と死と同じで、それらの前で自分自身は無力である。
また、ここに収録された演奏はコンサートやレコーディングとはすごく違う。
探ったり、試したり、確認したりするように弾いているそれは、聴かせるための自分以外が存在しないという意味で、反転しないパーソナルな時間であり、自由とも近い。
いつかコンサートでもこんな風に弾けたらいいなと思う。そして僕はいつかこんな風に弾けるようになるだろう。
でも、その前に僕の作品としては例外的に無防備でパーソナルな記録として残すことにした。
そして、3年経ってもこの記録が面白かったことに驚いている。
2014.8.25 渋谷慶一郎
—
渋谷慶一郎が「パーソナルな時間であり、自由」と表現するこの「Massive Life Flow」は、複数の定点カメラで捉えられた「ピアノを演奏する指や手の動き」「打鍵の瞬間」「揺れ動く感情や表情」などの映像をリアルタイムでギャラリー空間内にプロジェクション投影し、監視する/される関係を提示することで、音楽が生まれる瞬間や演奏の感情が極度にクローズアップされました。
2014年10月20日(月)にパリ・シャトレ座で開催する渋谷慶一郎のソロ・コンサート「Perfect Privacy」に繋がるコンセプトであり、同コンサートを一足先に感じとれるものになっています。
- 01. Sacrifice
- 02. Hands stretching out for clouds
- 03. Limitless
- 04. Finger Light ver.X
- 05. Improvisation
- 06. Spec
- 07. Ballad
- 08. Open Your Eyes “House” version
- 09. Blue Fish
- 10. For Maria
- 11. Painful
- 12. Choral ver.X
- 13. Fragments of Open Your Eyes
- 14. Initiation
- 15. Angel passed
- 16. In between
- 17. Reversible Destiny
- 18. Our Music
- Total Time 1’21’44
- All Produced, Performed by
Keiichiro Shibuya (ATAK)
- Camera, Photograph
Shin Suzuki
- Video Production
Kaie Murakami (SIMONE)
- Exhibition Designed
Shohei Shigematsu
- Exhibition Curated
Jun Ishida, Koko Hatafuku
- Place
Gallery Koko (2011.4.17 – 26)
- Movie Directed, Edited
Kazuya Gunji (ATAK)
- Sound Mastered
Kimken (kimken studio)
- Designed
Ryoji Tanaka (ATAK, Semitransparent Design)
- Menu Screen Designed, Authoring
YKBX
- Production Management
Mayu Nemoto (ATAK)
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2011年4月17日~26日の10日間に渡り、渋谷慶一郎が東京・恵比寿のgallery kokoで行った音楽の公開制作「Massive Life Flow」。
ギャラリーにピアノやコンピュータを持ち込み、作曲したり演奏したりする光景を誰もが自由に見たり聴いたりすることが出来るというこの10日間の試みはネットで監視カメラのように常時配信もされ、大きな話題となりました。
ピアノの手元の接写や作曲の経過など、コンサートやCDでは聴くことが出来ない非常にプライベートな演奏による代表作から未発表曲、インプロヴィゼーションを含む全18曲、82分をDVDに収録しています。
また、これは重松象平(建築)、ムラカミカイエ(アート・ディレクション)、鈴木心(写真)といった気鋭のクリエーターとのコラボレーションの記録でもあります。
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3.11の直後の2011年の4月、世間の自粛ムードを無視して、10日間にわたる音楽の公開制作という奇妙なことをやっていた。
「Massive Life Flow(=過剰な日常を生きる)」と銘打ってギャラリーにピアノやコンピュータを持ち込み、黙々と作曲したり演奏したりメールを書いたりするのを、誰もが出入り自由で見たり聴いたりすることが出来るというこの試みは、結果的に僕自身に大きな影響をもたらした。
パーソナルであることパブリックであることは紙一重であり、それらは自分以外によって反転することを避けられない。
これはもう一つのテーマとなる生と死と同じで、それらの前で自分自身は無力である。
また、ここに収録された演奏はコンサートやレコーディングとはすごく違う。
探ったり、試したり、確認したりするように弾いているそれは、聴かせるための自分以外が存在しないという意味で、反転しないパーソナルな時間であり、自由とも近い。
いつかコンサートでもこんな風に弾けたらいいなと思う。そして僕はいつかこんな風に弾けるようになるだろう。
でも、その前に僕の作品としては例外的に無防備でパーソナルな記録として残すことにした。
そして、3年経ってもこの記録が面白かったことに驚いている。
2014.8.25 渋谷慶一郎
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渋谷慶一郎が「パーソナルな時間であり、自由」と表現するこの「Massive Life Flow」は、複数の定点カメラで捉えられた「ピアノを演奏する指や手の動き」「打鍵の瞬間」「揺れ動く感情や表情」などの映像をリアルタイムでギャラリー空間内にプロジェクション投影し、監視する/される関係を提示することで、音楽が生まれる瞬間や演奏の感情が極度にクローズアップされました。
2014年10月20日(月)にパリ・シャトレ座で開催する渋谷慶一郎のソロ・コンサート「Perfect Privacy」に繋がるコンセプトであり、同コンサートを一足先に感じとれるものになっています。
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