ある人に誘われて

ある人に誘われて若干27歳の映画監督・断塚唯我さんの初長編映画「見はらし世代」の試写会へ。パーソナルであろうとすることで世代感が色濃く出ている作品。編集の甘さは非常に気になったが、父権性や男らしい寡黙さのような今や何の意味も効力もない、しかし映画的かつ物語的になりやすい素材を残酷に切り捨てていく。故にシネフィル的な静止画面で物語るような「良質な、映画にとってのクリシェ=父権」的表現は無くてもいいのではないか?と思った。とはいえ、この歳でカンヌ最年少上映という経験は生きてくると思う。この若い監督が「映画自体を愛さなくなった時」が楽しみだと思った。タイトルは恐らくプロデューサーなどの意見もあったと思うが、元の「新しい景色」の方がこの映画にふさわしいだろう。