パリのスタジオ

パリのスタジオを引越そうと決心して、連日不動産屋とやり取りしている。今のスタジオは広くて音も出せるのだが、周りはカフェひとつなく相模大野のような風景が広がっていて、ずっといるには退屈すぎる。なので今日も内見へ。今日見たところはモンパルナス方向で落ち着いた街にある一階のアパート。部屋は申し分ないのだが、やはりエリアとしてはつまらないので保留。自分がここまで生活にノイズや情報を必要としてるとは、今回パリのやや外れに拠点を持つまでわからなかった。もう二度と落ち着いた郊外の環境で制作、とか思わないようにしますと誓う…生活といえば、ゴダールの最後のアシスタントのファブリスイベールのインタビューを読んだらゴダールがIKEAを愛用してるとのことで非常に腑に落ちた。僕もパリのスタジオの追加テーブルや椅子などは全部IKEAで揃えたけど、妙な意匠もなく性能的にも過不足ない。というか極東の島国で高額なプルーヴェとかを集めて生活するある種の滑稽さというか違和感の正体は、やはり輸入文化は輸入文化、リアルとの距離が生む軽やかさの欠如ではないかと思う。これは割と広い問題な気もする。