2024 06 04
6月18日、『Super Angels』でAIを使った新たな表現に挑戦へ
渋谷慶一郎の作曲・プロデュースによるアンドロイド・オペラ『MIRROR』の東京凱旋公演が6月18日(火)恵比寿 ザ・ガーデンホールにて行われる。東京公演では2021年に新国立劇場の委嘱により初演された、子どもたちとアンドロイドが創る新しいオペラ 『Super Angels』の抜粋から二曲が前半の第一部として披露される。
公演まで14日間を切る中、全く新しい試みとなるAI作曲を取り入れた新曲も披露されることが決定。
渋谷の20年来のコラボレーターである東京大学教授の池上高志氏とのコラボレーションによるAI、GPTによる作曲の最初のプロトタイプとしてオーケストラ楽曲「Who owns this music?(この音楽は誰のものか?)」が第一部の序曲として初演される。これはAIによって生成された膨大な音楽を渋谷が編集、変型すると同時にスコアのフレージングはオーケストラの各演奏者に委ねられるという、作曲そのものや著作者の概念を揺さぶるような試みであり、アンドロイド・オペラがコンセプトに据える「中心のないオペラ」を象徴する序曲が誕生した。
渋谷慶一郎は、本作について以下のようにコメントしている。
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「AIは人間の知性の補助といった範疇を超えて拡張を可能にする。特に音楽や芸術分野ではその傾向と可能性は顕著であり、AIとの協働は大きなタームとしてかたちを変えながら存在し続けるだろう。またそしてAIは境界を無化していく。音楽と美術、大人と子ども、障害などといった対立軸を無効化し、新しい芸術表現とテクノロジー、科学の結びつきとしては本質的なアプローチであり、それを総合芸術の中で実践していくことに挑戦したい。」
「世界は刻々と終わりに向かっている。アンドロイド・オペラはその終わりと終わりの後のシミュレーションとバリエーションで出来ている。仮に世界が終わったとしても、その過程とその後が美しければいいじゃないか?それを想像してアンドロイドとAIという終わらない存在と祝福することが現在の人間に出来ることではないか?それを舞台作品として提示することが作曲家という概念も終わりに向かいつつある中で僕に出来ることではないか?そんな気持ちでこの作品を作った。」
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スクリーンに映し出される映像は、新進気鋭のアーティスト岸裕真を中心とする「Dentsu Lab Tokyo」の若手クリエイターが制作を担当。岸裕真自身が開発した二つの生成ネットワークによって100万種類以上の天使の画像をAIに学習させ、生成された天使のイメージを用いて映像を制作。
子どもたちの衣装は、岸裕真と金沢21世紀美術館で行われた「DXP2(デジタル・トランスフォーメーション・プラネット2)展」でもコラボレーションしたブランド「HATRA」が担当。映像と同様、AIによって生成された「天使」のイメージが衣装にもデザインされ映像との共振性をさらに高めていく。また、今回の公演のためにスロバキア発のシューズブランド「NOVESTA」が子どもたち全員にスニーカーを無償提供、衣装協力を行っている。
【参加アーティスト】
<第一部>Super Angels excerpts.
コンセプト、作曲、ピアノ、エレクトロニクス:渋谷慶一郎
歌詞:島田雅彦
ヴォーカル:アンドロイド・オルタ4
コーラス:ホワイトハンドコーラスNIPPON
(声隊指揮:加藤洋朗、サイン隊指揮:コロンえりか)
ソロバイオリン:長野礼奈
オーケストラ:Android Opera TOKYO Orchestra
(コンサートマスター 成田達輝)
アンドロイド プログラミング:今井慎太郎
映像:岸裕真
衣装(ホワイトハンドコーラスNIPPON):HATRA、NOVESTA
<第二部>Android Opera MIRROR
コンセプト、作曲、ピアノ、エレクトロニクス:渋谷慶一郎
ヴォーカル:アンドロイド・オルタ4
声明:高野山声明(山本泰弘、柏原大弘、谷朋信、亀谷匠英)
オーケストラ:Android Opera TOKYO Orchestra(コンサートマスター 成田達輝)
映像:Justine Emard
アンドロイド プログラミング:今井慎太郎
【公演概要】
公演名:Android Opera TOKYO – MIRROR/Super Angels excerpts.
日時:2024年6月18日(火)開場18時、開演19時 (チケット完売)
会場:恵比寿ガーデンホール(〒153-0062 東京都目黒区三田1丁目13)
【クレジット】
主催:アタック・トーキョー株式会社
共催:大阪芸術大学
協力:テレビ朝⽇
アンドロイド特別協力:大阪芸術大学アートサイエンス学科
制作協力:一般社団法人コミュニケーションデザインセンター、Dentsu Lab Tokyo、株式会社フレックス
企画制作・運営:アタック・トーキョー株式会社
特別協賛:PwCコンサルティング合同会社
協賛:株式会社 ポーラ、株式会社ソウワ・ディライト
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】