2009 11 25

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this is itの肝はMJが度々呟くgod bless youが翻訳不能、字幕なしということに尽きるでしょう。
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幸せなしかし強力な支配というのがpop=西洋だとしたらそれはキリスト教的な二元論に収斂するわけで、その完成度という意味においてMJはking of popなわけですよね。
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よく現代音楽の文脈などでオーケストラと指揮者の関係が支配と従属の関係に云々という言説がありますが、
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センサーもプログラムも使わずに生バンドに自分の身体の動き一つ一つに合わせて弾かせるというアンサンブルの統率の方法などはそれの比じゃなくファシズムなわけで
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しかし、それは映画でも明らかなようにこれ以上なく幸せで優しい柔らかなファシズムと言っても良い。
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実際バックダンサーの集団の卓越したレベルに比べてバンドのレベルは決して高くないことは明らかで、これは彼が自分が生身の身体でコントロールするバンドに関してはある種ファミリー的な何か。を求めていたという邪推も可能です。
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で、これらは全然悪くない、というかpopという概念自体がそもそも西洋のものであるならば、その最初で最高の成功例がMJという奇跡だということが、この映画の通奏低音で、
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僕はその成立と最初に書いたgod bless youに相当する日本語がないということが繋がって、まあ色々考えてしまいました。つまりこれはpopという枠で日本人が何をやっても考えてもそれは世界からみたら二元論にすら届かないというかジャンル違いということを意味しているというサンプルでもあったけです。