2009 01 11

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15時から朝4時までかかってATAK013 i8u+Tomas Phillipsのマスタリングをkimkenstudioで。
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結果的に非常に良い音になった。豊穣さが増したというか伝わりやすくなって、本当に気持ちいい。ずっとかけておける、しかし細部は常に動いているのが分かるというか。
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コンピュータプロセッシングを重ねて作られた音楽の問題として豊かな響きの持続による中域が作りにくく、中域にあるのは本来メインではないノイズのみということになりやすくてそればかり目立つから結果的にうるさい、ということがよくある。
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耳が悪いのかな?とか別に配慮していないのかな、という印象しか持てないんだけど、なんだかノイジーな、難解な感じになっちゃいました、という凡庸な結果になっていることが多い。
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よっぽど注意深く聴かない限り人間の耳に届くほとんどは中域なので、そこをどう響かせるか、トリートメントするかというのは非常に重要だ。現実的にそのCDが何回聴かれるかということに関わってくるでしょう、特に電子音楽の場合は。
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013は元の音源の音量が小さかったので、それを上げるとノイジーな部分も一緒に大きくなりすぎてしまうので、EQでカットしつつ響きの持続は滑らかにさらに豊かにして、というのを細かくEQで作っていった。
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リミッター、コンプは質感が変わってしまうのでほとんど使っていない。つまりレベルをstuderで上げてあとは各種EQという非常にデリケートな作業だった。
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多分これで彼らが本当にイメージしていた響きの変化の持続が、適切な音量で聴こえるかたちになったと思う。
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20分弱の曲が2曲、10分くらいの曲も2曲という感じだから聴き直すのが大変だったけど^^:
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とりあえず、今日のをCDに焼いてもらって家で何度も聴いて修正などするつもり。家でBGMでかけておいたときの印象が大事だから。
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しかしこのアルバムは非常に良い。年月かけただけのことはあるというか、僕も自分の作品以外でここまでプロデュースしたのは初めてかも。
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これ以上に美しくて豊穣なドローンを聴いてことがない。美しいドローンなんて、とかいう声もいかにもありそうだが
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ドローンが陥りやすい「なんとんく暗いかんじ」からくる退屈さ、しかしストイックで何をしたいのかは分かる→だから聴かなければならない→でも本当は帰りたい→という本当の退屈というか絶望的な感じ笑、というものの対局にこのアルバムはある。
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音楽は全然違うけどこのCDのPalais de Mariという29分くらいのピアノソロの曲がすごく良くて聴いていると似た気持ちになる。すごくいいです。

Aki Takahashi Plays Morton Feldman
Aki Takahashi
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