2008 11 06

11 06

東京造形大学で最後の講義。
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今期は僕の調子が悪かったこともあって講義回数も少なかったのは申し訳なかった。
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ただ、美術大学なのでアーティストになろうとしているか、そうでなくても何かしら卒業にあたって作ることになるのは明白なのでこれから作ろうとしているもののプレゼンテーションというのを最後の講評会のテーマに設定した。
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これは制作中の作品の途中報告もあり、ということにしてともかくプレゼンテーションを10分くらいしてもらって、それに対して僕とICCの四方さん、造形大学の大久保准教授を相手に質疑応答、他の学生も含めてディスカッションを繰り返すというもの。
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思うにこれが美術系、音楽系大学で一番有効な方法なんじゃないでしょうか。アートの歴史的なもののDVD見せたりCD聴かせたりというのは興味があれば自分でやればいいし、ネットでいくらでも調べられる。
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というかアーティストになりたくて興味があるのに、そういったデータベースに自分でアクセスしていないとしたらその時点でアウト。というのが僕の判断で、そういう若者に親切にしている暇はないので、まず何かやっているということを前提にそれをいかにプレゼンテーションするか、それをどう批評されるのかという過程を体験をするというのはなかなか緊張感があってよかったと思います。
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作品自体にプレゼンテーション能力がないな、と思うのはアート、特にメディアアート系の作品の全般的な傾向で、なぜか若いアーティストにその傾向が強かったりする。
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その場合の写真や絵画はいかに優位性があるかとかについて書いたりするのは面倒なので省くけど、ともかくプレゼンテーション能力は全方位的にあったほうがいいというのは自明だから、そこを最終評価としようということです。
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だから何も作ったりしていない人は出席しなかったりするのも非常にすっきりしてて爽快だし、学外から熱心にプレゼンテーションに来る人もいたりして面白かったです。
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創りたいという欲望がある人間に対しては僕は音楽に限らずコンポジションという観点から何かしらの指標を与えられると思うけど、そうじゃない人間に「メディアアートっていうのは〜」とかやっている暇はないので、結果的に非常に変則的になるけど、欲望がある人間にのみ少しでも刺激になっていたらよかったと思います。
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帰宅後はちょっと色々大変だった。書きたくないから書かないけど、自分に残された時間が少ないという元々あった気持ちが変型/増幅されていることを実感した。