2008 08 06

08 06

ハニカムでATAK T 2008の特集が始まりました。
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僕はスタイリストの祐真朋樹さんと東京やファッション、音楽などについて対談していて、面白いというメールをたくさん頂いたりしているのでぜひ読んでみてください。
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祐真さんはとにかくロック、とにかくストリートという日本の風潮にアンチという数少ないスタイリストで、僕も当然そうなので、やっぱ60年代だよね、とかロックがどうとかいう寒々しい会話が一切ない清涼感溢れるものになっています。
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あとmariaとthomasというエディスリマンがスカウトした男の子のモデルによるファッションシュートもあって、これは絶対に見て欲しい。
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撮影は新津保健秀さんでスタイリングは曽山絵里さん、全体のディレクションは僕とmaria、編集長の鈴木さんでやったんだけど、新津保さんのように明らかにいわゆるファッションカメラマンのポテンシャルを超えている人を起用しつつ、ヘアメイクをナシにしたのが成功していると思う。ちなみに偶然だけど曽山さんはmariaがモデルを始めるきっかけになった人だ。
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この撮影の日、僕とmariaは行く前に喧嘩していたんだけど、撮影が始まるとmariaの集中力が凄くて驚いた。あっという間にレディスの撮影はほぼ完了した。
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で、「maria、すごいじゃん!」とか言ったら「プロですから!」とか言い返されたんだけどよく考えたら僕は彼女のショーは何度も見に行っていたけど撮影の現場は行ったことがなかった。つまりカメラマンと仕事をしている彼女を見るのは初めてで、彼女にしてみれば僕の前でポーズをどんどん変えて撮られていくというのは、結構緊張したらしくて自分の番が終わったら倒れて椅子に横になって寝ていたりした。
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このATAK Tのプロジェクトに関して彼女は本当に頑張っていて、僕がfilmachineの準備でベルリンに先に行ったときも「死にそうだー、数が分からない」とかいうメールをもらっていたりして、生産管理もデザインも最後まで追い込んでいた。
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パターンというかTシャツのカッティングは二人で決めて、メンズのデザインは僕が、レディスのデザインは彼女がやって、お互いにどっちがカッコイイものを作るか競ってたから途中まで全然見せないで進行していて、あるときにどう?とか言って傾向が違うそれぞれをお互いがそれはいいんじゃん、ということになったら商品化決定みたいな感じでやっていたんだけど、これはslipped diskとか作ってたときにも近かった。
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Tシャツのプロジェクトはそういうライバル意識というか、ヤツには負けられないみたいなところがモチベーションだったからこの後どうするかは全くの白紙になっている。だから今回のコレクションは僕にとってもすごく感慨深い。
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カットや品質は今までとは段違いによくなっているから、ぜひ見て欲しいし買ってほしい。
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ハニカムで扱っているコレクション一覧はここ。
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商品解説をチェックしていて思ったんだけどアンチ大量消費と時間の層がテーマになっていますね。意識せずにそういうテーマが浮かびあがったのはよかった。
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結果的にこのATAK Tのプロジェクトがmariaとやった最後の仕事になった。フラッシュで彼女が動いているのを見るとすごく不思議な気持ちになる。僕はずっと大事にこのTシャツを着ると思う。