2008 02 23

02 23

神戸でライブの日。
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13:30の新幹線でエバラ君と新神戸へ。17時頃着いて19時前に会場入り→サウンドチェック。
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しかし事前に左右のスピーカーのバランスを揃えておいて下さいと言っていたのにも関わらず全然違う。映像を投影するための布も皺クチャだったので結局映像はナシにする。この時点で嫌な予感はしていたんだけど、
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いやはや最悪の環境でした。僕は基本的にライブは数やってナンボとかいう人ではないので環境が悪いならやりたくない、というか場所が東京だったりとか実際に分かる範囲では判断できるんだけどさすがに地方だとオーガナイザーの話や熱意で判断するしかないんですね。
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しかし今回のようなことがあるとちょっと考えてしまう。あまりにも基準が違い過ぎて話にならない。というかライブハウスとかクラブで使えないケーブルが散乱してるというのは意味が分からない。それだけでどこが原因で音が悪いのか探す手間が膨大に増えてしまうわけだし、アマチュアバンドやイベンターから金取って貸しているような場所だったらそれは詐欺に限りなく近いと思うんだけど。
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今回の場所はそういう意味では万事がガサツで事前に揃えておいてくださいと伝えておいたスピーカーの左右の音色も音量も全然違うので、アンプを取り替えるとか色々やってみんだけど、ダメでした。というのも、色々やった挙げ句にこれだったら最初のほうがまだマシかもという結論に至って、元にも戻してくださいと言ったらPAのスタッフが戻せなくなっちゃったんですね。別に複雑で膨大なシステムでもないのに。
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オープンが遅れた原因はこれです。申し訳なかった。
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しかし、これは別に理想主義的に音は良くなければ!とか言ってるわけじゃなくて
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現に5年くらい前に初めて博多でライブをやったときにそこのクラブのサウンドシステムをリハの時間目一杯使ってやったら驚異的に音がよくなったということがあったりという経験上なんですね。その店に感謝されたくらい。その博多のクラブもシステム的には今回の神戸と同じくらい、もしくはそれ以下だったかもしれないのに。
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ベルリンでサウンドチェックしてたときも結局左のウーハーになぜか事故的にハイパスフィルターがかかっていてそれを修正したら問題なくなったりということもあって
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言えるのはコンピュータを使ってる場合はライブハウスとかクラブでよくやるようなグラフィックイコライザーとかコンプを使って音作っていきましょ!とかいうのは全く重要ではなくて左右のバランス、音色を徹底的に調整して作ったものの再現性を高めることで、
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しかし今回の場合は全くそれが出来なかった。結局メインのスピーカーはロクにならずにサブのほうが大きいという状態で、
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うーん、でもクラブやライブハウスのPAって余計な機材挟まり過ぎているよな。僕は徹底的にグラフィックイコライザーが嫌いなのであんなものはフラットにしてもらうかスルーかのどちらかしかないんだけど、今どきあれが必要なのはどれくらい古くさい音楽なんだろう。
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というわけで結局非常に納得のいかないままライブ終了。一時はキャンセルしようかと思ったくらいなんだけどそれは申し訳ないと思ったのでやったけど、やっぱりやったのも申し訳なかったかも。すいませんでした。
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そのオーガナイザーの子にも言ったんだけど、よくないという状態に慣れることは致命的なことで、だったらやめたほうがいいんじゃないかと思う。
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こんなことは当たり前だけど自分が万全だ!とか思っていても万全じゃないわけだからせめてそう思えるようにするのは倫理でしょう。
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特に東京以外の地域で、ライブが見たいという要望には僕はなるべく応えたいと思っている。これはライブが見たいという欲求自体が理解できる、というかライブで判断するという人は世界のどこにも一定数いて、その人の音楽が好きだからライブが見たいという気持ちが存在することは、音の善し悪しを純粋知覚として判断できるかどうかということよりは信じられる。
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本当にいいなーと思う音は機材だけの問題じゃなくて環境によるところが大きい。Meyerを揃えたから、Martin audioを揃えたから常に良い音でやれるということではなくて、それは場所の残響、つまり材質や形状との擦り合わせになるわけでそういう意味ではトライ&エラーは不可避だ。
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だから僕はその場所でできる最良の結果にしたいと思っている。それにはPAも含めて関わる人間によるところが大きくなるわけで、今回の場合は残念でした。ほんとに。