2007 05 11

05 11

cliphopというのがmokira=アンドレアス・ティリアンダーによって提示された後に、いわゆる「hip hopをエレクトロニカ的に咀嚼する」というのが流行したことがあったけど、最近発表されたテインバーランドのアルバムの1曲目は言わばcliphopへのhiphopからの捩じれたレスポンスのように聴くこともできる。気もする。16分で入っているハイハットを1000hzのパルス、808のkickのディケイ改造のような低音を50hzのそれに置き換えるとそのまま、とすら聴こえなくもない。ただ、この試みはすごく成功していると思う。まず音楽のフォルムが新鮮だし音色の配置、ミックスバランスなど総合的な完成度もとてつもなく高い。惜しいのはこの1曲目の突破力が2曲目以降、曲を追うごとに薄れていくことで、最後のほうはグツグツに普通のhiphopに戻っていってしまう。比重がソングライティングにより過ぎていて、しかもコード連結で失敗しているように思うのだが。普通すぎる。1曲目はドローンに相当するものがピアノのフレーズだったけどそのほうが自由だ。ビヨークの新譜はちゃんと聴いてないけど声は取り替えられない。