2007 03 05

03 05

ツアー日記2/20。ATAK NIGHT3@京都の日。
__
取材で来られた後藤繁雄さんと久しぶりにお会いする。音、飛行機、不可視なものなど。「俺はやりたいことをドサクサにやるから」とか言ってたけど正しさに寄りかかってない人はいつも元気で清々しい。
__
やらなければならない、とかこうあるべきとかいうのは全く信用できないし、僕自身やりたいことはあっても<やるべき>ことなんてないから、デカイ声でこうあるべきだ的発言をしている人は全く信用できない。やりたいことを各自が欲望のままにやればいい。ドサクサにというのは速の美なので大事です。
__
で、ATAK NIGHT3当日なんだけど僕は会場に早めに入って実際のPAでライブの素材を色々調整。特にディレイ関係の微調整に時間がかかる。大分よくなったとはいえまだ不満が残る。うーんなかなか思っているところまで追いつかない。自戒も込めて今日はトップバッターでやることにした。あと色々不安だからイベント全体を見渡したいという気持ちあって。
__
で、リハのときは音中心で色々試して各自修了。映像に関して、プロジェクターからの映像を照明として使うので会場の照明は全部落として、というのは以前から話していたし、プロジェクター使うのなら常識なのですが最初にステージに出ると何とも中途半端な灯りがついていてビビリました。
__
僕は出演者だったからバックステージ待機していたので実際舞台に出るまで分からなかったとはいえ、会場の照明卓近くにはmariaもいたしオーガナイズしているこちらの責任もあるでしょう。しかし映像を音に反応するフラッシュのように使うということは何度も言っていたのにも関わらず、この訳の分からない薄明かりの照明がついているのはどういうことだ?と混乱しつつも開演時間も押していたこともあって僕はスタート。僕の次のエバラ君が終わったところで休憩。
__
休憩時間に昨日の日記で散々書いた岩村さんと制作の森さんに詰めよってこの照明はどういうことですか?と聞くと「会場の安全のため」にということで呆れる。まず、映像があるのだからさほど暗くないし、この手の過保護というのは誰のためにもならない。というかアーティストの意図をねじ曲げてラブホの薄明かりみたいな照明をつけるというのは非常識だろう。しかしここでキレたらコンサート後半は消滅してしまうのでこらえて、絶対に照明を落とせ、とにかく電気を消せと言っても、ここの管理責任者が云々とか言ってるから、もし問題あるとかいうのなら僕と直接話すようにしてくれと伝えたら、ゴニョゴニョ鬱陶しい躊躇とかあった後に結局後半は照明は落ちて映像も正常な投影となって俄然空間がよくなった。
__
後半のGoemとPan sonicはある意味非常に最近の彼ららしいパフォーマンス。Goemは山口よりもリラックスしてループの重ね合わせによるモワレを作っていてPan sonicは驚くほどロック的だった。演奏的と言ってもいい。ミカが冷静に構成を切っていたのが印象的。
__
しかし、ここでも岩村氏の愚かな行動が爆発したらしくて、幸いなことに僕は近くにいなかったんだけど、コンサートの最後のPan sonicの演奏中に調整卓の前にいたエバラ君が後ろからバンバン肩を叩かれるからなんだろうと思って振り返ると
__
「時間まずいんですけど!ここの場所の時間!22時退出なんですけど」とか言ってたらしく、んなものそれが理由で演奏止めさせる訳にもいかないしそもそも休憩が長引いたのは自分たちが「責任者が」とか「照明消す係の人が」とかくだらんこと言ってたからなわけで、どうすることも出来ないことをグタグタ言ってたらしいですね。
__
で、コンサートは21:45くらいに無事(でもないけど)終了。僕は怒りが収まらないので制作の森さんに岩村さんを呼ぶように伝えるも中々来ない。さすがにお客さんの前で怒鳴るわけにもいかないのでお客さんが退出してから、呼び出してもらってコンサートの前半と後半では照明と映像、空間の関係はどっちがいいと思うかと聞くと
__
「僕がアーティストととして関わっていたら後半のほうがよかったと思います、でも僕はここの施設の人間なので」とかまた訳の分からないことを言い出すので「いや、アーティストとしてとか施設の人間とかいう問題じゃなくて良いものを作るためにやってるわけですよね?お客さんもいるわけだし。後半照明落として、立って見てるお客さんもいたけど何らかの危険性があったと思いますか?全くないですよね。映像で十分明るかったし」と言うと
__
「それは分かりませんが、とにかく僕はここの施設に所属していてそれでご飯を食べてます。なのでここの規則に準じるより仕方ないのです」とか「犬と言われても仕方ありません、魂売ってますから」とかいうゴミ以下の発言をし始めたので、これはかなりノイジーだな。殴ろうかなと思ったのですが、なんとかこらえてそういう人は舞台にしろ音楽にしろ物を作る場所にいるべきじゃないし、あなたみたいなゴミ以下の発言をする人間が関わっていることが非常に残念だし、とか言っていたらホントに拳打で吹っ飛ばしそうになったので、そろそろ切り上げたいと思って制作の森さんにも要するに良いものを作りたいと言ってもビジョンがないし、甘いんじゃないかと言っていたら岩村氏がクスッとか笑いやがったので「笑いごとじゃねーんだよ」と怒鳴ると(このとき手が出なくてホントによかったと思いました。)かなり静まり返ってしまって、病み上がりのイルポに申し訳ないなと思ったのでいい加減にして帰りました。
__
というわけでかなり後味が悪く会場を後にしました。非常に残念でした。垣間みて分かったのは、組織の弊害というのはこういうことでしょう。つまり生活だなんだとかいうのは組織と個人というのが対立的に作用しているかわ起きるわけです。クリエイティブな現場、状況においては良いものを作っていきたい、という個人的な欲望が結果的に集団/組織になるというのが正常な状態であってそれ以外は成立しないわけです。今回のように組織の人間が所属している組織を飯の種として考えていてそこに居座り、関わっている組織外の人間も彼に直言するとその組織との関わりが難しくなるので言えない、という抑圧のループが大々的に展開していたのですが、これは最悪ですね。
__
規則がとかなんとか言ってましたが、小学生じゃないんだから実践していく上で変更が必要であればバンバン変えればいいと思うのです。その場でも。変える、というのは大げさなものじゃなくて音色のエディットのようなものです。超越的な論理で動くのはなく変えたことによって他を微調整して段々かたちが見えてくるという組織やシステムのあり方というのは可能なわけで、しかしこういうことは真剣に作るということを最優先して行動しないと当たり前にならないというのも事実なのかもしれない。
__
僕は言いたいことは大体伝えてきたので、それをうるせーやつだったなと思われてもいいですし、参考にしてもらっても構わないですが現状はあまりにも残念だったということしか印象に残っていない。
__
というわけで京都のみなさま失礼しました。僕自身のパフォーマンスもベストとはほど遠い出来だと思っています。またいつかリベンジできたらと思っていますのでよろしくお願いします。