2006 06 05

06 05

人の退化。というか鈍化は何によって始まるのか。ということを考えること多々な最近なのですが(笑・だってあまりにヒドイから)環境が大きいのは自明でしょう。この場合の環境というのはやっぱ緑が。とかそういうのじゃなくて簡単に言うと周りにいる人間のことで、もっと簡単に言うとバカに囲まれるとせっかくのイイ資質もダメになる、という極端な例を最近見ていて空恐ろしいことこの上ない。です。反動化も右傾化も併発しやすい。
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上記に関して僕は恵まれている、という気がしてます。人、少ないけどユルイ人がいないというのが。
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今日は第三項音楽進化論の講義@東大駒場でゲストはYCAMの主任キュレーターの阿部一直さん。8.9からスタートするATAKのインスタレーションも阿部さんのキュレーションによるもので非常に良いプロセスで進んでいます。
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そもそも僕が阿部さんと知り合ったのは大学生の頃で、その頃キャノンアートラボでメディアアートというのが日本にほとんど入って来ていない頃から先鋭的な作品のみを紹介するという非常に自律的な活動を四方幸子さんとしていて、僕はある種の影響というか原体験というか刺激を受けていたんですね。
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要するに非常にソリッドな展開を企業を巻き込んでやるというスタンスがメディアアートの創成期と非常にマッチしていた、という印象を早熟な僕。は持っていたんですね。普通のギャラリーが現代美術と称してゴミみたいなのを恭しく飾ったりしてた時代に。
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で、それから時々話したり相談に乗ってもらったりしつつ、あ、あと現代音楽とかゴダールとか共通の趣味もあったりして(趣味?笑)
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まーそれでその後についてはpod cast聴いてもらうとして、なかなか有意義な話ができたと思います。重要なのは音による空間創造、認識についてノーノのプロメテオとかクセナキスについて阿部さんが話したあたりの対談で、第三項音楽の場合はどうか、という問いに対してのやり取りで、ですね。
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僕はオーケストラの空間配置はほとんどの場合は非常に概念的でうまくいっていないと思っている、というか二階から大勢にラッパ吹き鳴らされても残響を考えると空間に対して厳密なアプローチが出来ているとは思えないわけで、これが僕と池上さんみたいな複雑系の研究者がやるってなるってなるとアトラクターとデータでバーンッと配置して完成!みたいなのを期待されるけど知覚というのはそんなに単純じゃないんですね。左右と前後の距離認識と音色の関係ひとつとっても検証に検証が必要なことはここ最近の徹夜の作業で明らかなわけです。
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だから、認知の問題と切り離して考えることはできないしそれはトライ&エラーだ、ということです。もちろんローレンツアトラクターやロジスティックマップ、らせん構造などは使っているけどそれすらデータはめてOKというほど気楽なもんではない。
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他にも色々。なのでpod cast楽しみにしててください。
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終了後、阿部さんと研究室でHuronの作業過程を確認してからエバラ君、mariaとICCのプレオープニングレセプションへ。友達多数。作品は大人しめな印象。
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藤幡正樹さんに久しぶりにお会いして話したんだけど、性格的な部分の相似が多くて(南方系というかえーとらてんというか)会うたびに盛り上がるのですが、「この前部屋で一人で000聴いちゃった」と言われました笑
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藤幡さんが「役に立ちそうな顔した作品はホントにイヤになる」と仰ってたけど非常に同意です。
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そこそこに切り上げてエバラ君と研究室に戻って立体音響の実験の続き。朝まで。途中セブンイレブンの塩豚カルビ弁当麦飯というのを食べたらまあまあ美味しかった。